中東イランで女性に義務づけられている髪の毛を隠す布「ヘジャブ」の着用が不適切だったとして、22歳の女性が逮捕された後に急死した。警察官の暴行が疑われたため、政府を批判する抗議行動が各地に拡大。政府側は遺族に捜査の徹底を約束し、事態の沈静化を図るが、抗議デモ参加者ら5人の死亡も確認され、緊迫は高まっている。
イランでは1979年の革命以降、国教とするイスラムの教えに基づき、女性は国籍や宗教を問わず、公共の場所ではヘジャブと呼ばれるスカーフをかぶり、髪の毛を隠す義務がある。違反者は逮捕され、罰則を科されることがある。
地元メディアや警察の発表によると、西部クルディスタン州出身のマフサ・アミニさん(22)は家族と訪れた首都テヘランで13日、ヘジャブの着用が不適切だとして逮捕された。警察署に移された後、急に意識を失って病院に搬送。16日に死亡した。
警察「心臓発作」 遺族「健康問題なし」
SNSでは、アミニさんが病…
- 【視点】
イランではシーア派穏健派と、保守派の間で大統領、政権が変わるたびにイスラムの世俗化に対する取り締まりのあり方はその厳しさに差がありました。 ロウハニ大統領からライシ大統領に変わり、就任1年を過ぎて起きたこの事件は、突発的な市民の怒りの爆発
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