アベノミクスから10年、膨らむリスク 日銀の国債保有が5割目前に
木村聡史 鈴木康朗 徳島慎也
日本銀行が保有する国債(政府の借金)の割合が6月末時点で5割に迫った。新型コロナやウクライナ危機の影響で財政出動圧力は高まっており、政府が財源として国債を増発し、日銀が買い支える構図は続きそうだ。ただ、日銀の保有が増え続ければ、財政規律がさらに緩む懸念がある。将来、緩和縮小へ動く場合も、日銀の財務が悪化するなどの副作用のリスクも膨らんでいる。
日銀の国債の保有割合が高まったきっかけはアベノミクスだ。2012年末は保有割合が約11%だったが、13年春に黒田東彦(はるひこ)総裁の下で大規模な金融緩和を打ち出して以降、この10年で一気に割合が高まった。
この間、日本の国債残高も右肩上がりで膨らみ続け、2021年度末は約1千兆円。地方自治体も合わせた長期債務残高は国内総生産(GDP)比250%超で世界最悪水準にある。
専門家「政府の国債管理に、日銀は取り込まれている」
政府の財政赤字の大部分を日…