エリザベス女王の国葬で、天皇・皇后両陛下が他の参列者たちに合わせ、マスクを着用していなかったことから、日本国内でのマスク着用のあり方が改めて議論となっている。朝日新聞土曜版「be」の読者を対象に8月末に実施したアンケートでは、今後の対応について「海外のように屋内外でマスクを外すべきだ」としたのは約2割にとどまり、「コロナ禍が収束した後もマスク着用の習慣が定着してほしい」とする人が3割近くに達した。国内でのマスク着用はいつまで続くのか。
アンケートは毎週土曜日の「be」に掲載される「be between 読者とつくる」欄の企画として実施し、2893人から回答を得た。「屋外でマスクを外しますか」と尋ねたところ、「外す」と答えた人が57%を占めた。厚生労働省のマスク着用についてのガイドラインでは屋内での着用を勧める一方で、屋外では「会話を行わない場合、会話を行う場合でも十分な距離が確保できる場合には、マスクの必要がない」としている。
しかし、個別の回答内容をみると「屋外でも人がいる所では着けている」「自宅近くのゴミ捨て場に行く時だけは外す」「自転車に乗る時には鼻だけマスクから出す」など、マスクを外したり緩めたりするのは、他の人々と接する可能性が低い場面に限る人が目立つ。人目のある場所では、やはりマスクは外しづらそうだ。
「マスクをするのは、他人に非難されたり、感染を恐れられたりしないための体裁」(岡山、61歳女性)、「日本の同調圧力を可視化したのがマスク」(大阪、20歳男性)など、感染予防よりも、日本社会独特の「空気」によってマスクを外しづらくなっているという声も目立つ。「対向車線のドライバー。どう見ても一人きりなのに、誰からの何を防ぎたくてマスクを着用しているのか不思議に思う」(岩手、31歳女性)という指摘には、うなずく人も多いのではないか。
[マスクなしの世の中に」ハンディある人からの切実な声
「マスクのない世の中になってほしい」という声の中で最も切実だった一つが、福岡県の54歳男性からのものだった。
記事の後半では、マスク着用の継続を求める人々の本音に触れると共に、専門家が指摘する「マスクを着け続けることのリスク」について考えます。
「耳が聞こえず、読唇術で会…
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