「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と自民党の関係は、地方にも広がっていた。安倍晋三元首相の銃撃事件を受けて党本部が「決別」を宣言するなか、ある自民市議が朝日新聞の取材に信者だと認め、教団の理念実現のため自民党の傘のもとで活動してきたと証言した。
美馬(みま)秀夫・徳島市議(73)は1995年に無所属で初当選し、2015年以降は自民公認で当選した6期目のベテランだ。
東京の大学を出て大阪の商社で働いていた時、地下鉄のポスターで知った「市民大学講座」に参加した。
議席を取って「教団の願いを……」 国会では母の訴えも
共産主義をどう思うか。国際政治をどうするか。そんな話題が次々に出た。「政治・経済だけでなく、宗教の思想によって世界を変えるという考えに感動した」という。教団の会合と知って1974年に入信し、大学に入り直して政治史や宗教史を学んだ。
記事後半では、市議とのやりとりを一問一答で伝えます
当初は信者が共同生活をする「ホーム」で暮らし、献金はいまも続ける。ただ勧誘は「向いてなかった」という。「自分の使命は議席を取って『人類一家族』『世界平和』という教団の願いをかなえること」で、「伝統的家族観に基づく政策を実現させることだった」と話す。
心配した美馬氏の母親が「助けてほしい」と国会議員に陳情し、苦しむ信者の母の声として77年の衆院法務委員会で紹介されたこともある。やりとりは国会の議事録に載っている。
息子を取り返して、経営する…
- 【提案】
美馬氏個人の信教の自由は守られなければならない。問題は、彼が教団の理想を実現しようとして議員になったことや、そのための活動をしてきたことを、有権者にちゃんと伝えてきたのか、という点だ。インタビューの中では「知れ渡っている」と言っているが、
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