旧統一教会追い50年、中村敦夫さん「安倍氏への忖度で右往左往」

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聞き手 編集委員・藤田直央
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 「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」は日本の社会や政治に何をもたらしてきたのか。ニュースキャスターや参院議員も務め、約50年前からこの問題を追う俳優の中村敦夫氏(82)に聞いた。

 ――統一教会に関心を持ったきっかけを教えてください。

 1970年代からです。全共闘(全国の大学に広がった学生運動)が崩壊し、オイルショックが来て、高度経済成長期にモーレツに働いたサラリーマンも報われない。欧州では環境やジェンダーフリーなど新たなテーマが出ていましたが、日本では左右の境がぼやけ、社会の連帯が薄れていました。

 私は72年からテレビの時代劇で「木枯し紋次郎」を演じるなど俳優として忙しかったのですが、監督としても社会問題をテーマに映画をつくりたかった。時代を象徴する題材はないかと探していたら、駅前や大学の構内に黒板を持ってきて、懸命にオルグ(勧誘)しているグループがいるわけです。

 それが統一教会系の学生組織の原理研究会でした。統一教会について調べると、朝鮮半島を植民地支配した日本は韓国に貢ぐべきだとか、でも反共産主義岸信介元首相とつながっているとか。支離滅裂に感じましたが、世間はそういうことをあまり知らない。80年代にはバブル景気に向かう日本に浸透し、信者が霊感商法にかり出されていきました。

ワイドショーで批判をしたら…

 ――中村さんが教団と明確に…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年9月18日15時52分 投稿
    【解説】

    書きました。お元気でした。  時代劇「木枯し紋次郎」は私が生まれた頃。合同結婚式でテレビが賑っていたのは大学生の頃で、原理研の人たちがキャンパスにいました。  匿名での脅しは多かったそうですが、むだな公共事業など他にも社会問題を追及して

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