高齢者のやる気そぐ? 消費税インボイス制度に意見書続出の理由

有料記事多事奏論

編集委員 中川透
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記者コラム「多事奏論」 中川透

 「高齢者のやる気、生きがいをそぎ、ひいては地域社会の活力低下をもたらす」。そんな心配をつづった意見書が、各地の地方議会から政府や国会に続々と出ている。

 全国シルバー人材センター事業協会によると約200件。1300超のセンターと働く60代以上の会員70万人に、消費税インボイス制度が及ぼす影響への不安だ。

 何が起きるのか、まず税のしくみをおさらいしたい。消費税は消費者が最終的に負担するが、店や企業が納める。その際、受け取った消費税分から仕入れで払った分を引ける(仕入税額控除)。例えば、店が1万1千円(うち消費税1千円)で仕入れた商品を、2万2千円(同2千円)で売る場合、店の納める額は1千円になる。

 来年10月から、税額控除には仕入れ先の発行したインボイス(要件を満たす請求書や領収書)がいる。発行には国への登録が必要。登録すると、売上高1千万円以下の零細業者は免税措置を失い、課税業者になる。負担増が悩みのタネになっている。

 シルバーの話に戻すと、企業…

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