相次ぐトラブル、長引く審査 核燃料再処理工場が26回目の完成延期

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土肥修一 高田誠 佐々木凌 宮川純一 山野拓郎
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 青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場の完成時期について、日本原燃は7日、県と村に対し、予定していた2022年度上期から延期すると報告した。延期は26回目。新たな完成時期は、原子力規制委員会の審査の長期化により現時点では示せないとし、審査状況などを見極めたうえで「年内に公表する」とした。

 原燃の増田尚宏社長はこの日、青森県庁で三村申吾知事と面会し「これまで約束していた竣工(しゅんこう)時期を変更することになったことをおわび申し上げる」と陳謝。審査が長期化している要因について「申請書に記載すべき事項の整理や対象設備の明確化に時間を要した」などと説明した。

 完成時期について、三村知事は「時期を見直すのであれば、新たな竣工時期を明示するのが当然」と批判。「今後の事業の進捗(しんちょく)に対し、県民の不安を引き起こしかねない」とし、審査が遅れた原因の分析や完成までの工程を示すよう強く求めた。六ケ所村の戸田衛村長は「先の方向性が見えない。立地自治体としては不信感を抱かざるを得ず、不安も重なっている」と話した。

 原燃は今後、これまで3回に分けるとしていた詳細設計の認可の申請を、2回にまとめるといった審査対応の効率化を図り、早期の認可をめざすという。

 再処理工場は1993年の着工以来、トラブルが相次いでいる。

 2001年には使用済み核燃…

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