アフガンの教訓受け、在外邦人らの輸送訓練 法改正でチェック強化

有料記事

成沢解語

 自衛隊は6日、外国で災害や騒乱などが起きた場合を想定し、現地邦人を自衛隊機で輸送する訓練を北海道の八雲分屯基地で報道公開した。アフガニスタンから邦人らを輸送した昨年の教訓をきっかけに、今年の法改正で外国人だけの輸送が可能になったことを踏まえ、対象者をふるい分ける「スクリーニング」の態勢を強化した。

 「国外へ連れて行ってくれ!」。そんな意味の外国語を書いたプレートを掲げたターバン姿の人々が、興奮した様子でフェンスをたたき、何かを口々にまくし立てる。この日の訓練は外国で治安が悪化したと想定し、群衆が集まる中で輸送対象の邦人を安全に輸送することに焦点を当てた。

 自衛隊は昨年8月、イスラム主義勢力タリバンが政権を掌握しアフガンから邦人を運び出すため輸送機を派遣。だが、現地日本大使館のアフガン人職員ら約500人は輸送できなかった。自衛隊法の規定が、外国人の輸送は邦人に「同乗させることができる」とするにとどめていたためだ。

 これを受け、邦人の配偶者や子、日本大使館や独立行政法人の現地職員なら、外国籍の人だけでも輸送できるようにした改正自衛隊法が4月に成立。ただ、アフガンの際には現地住民が空港に押し寄せ、空港近くで自爆テロも起きた。今後の任務では対象外の外国人が殺到したり、テロリストが紛れ込んだりする恐れが想定されていた。

身元確認を迅速化・厳格化 ヨルダンでも実地訓練へ

 そこで訓練では、現地の日本…

この記事は有料記事です。残り478文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません