ロシア、制裁解除まではガス供給停止も 独向けノルドストリーム

[PR]

 ロシアがドイツ経由で欧州に天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム」について、ロシアのペスコフ大統領報道官は5日、欧米の経済制裁が解除されるまで、供給停止を継続する可能性を示した。ロシアは設備点検を理由に9月2日までの予定で供給を止めたが、停止期間を延長していた。

 欧米は、ノルドストリームの設備は制裁対象外と主張しているが、ロシア側は「制裁が現在の(供給停止の)状況をもたらした」と主張。議論は平行線が続いていた。ロシアのウクライナ侵攻後、供給不安から天然ガス価格は高騰を続けている。ロシア側の発言で停止が長引く可能性が伝わった5日、欧州を代表する価格指標は前営業日比で一時、約36%上昇した。1年前の約5倍の水準だ。

 ノルドストリームをめぐっては、独シーメンスのカナダ工場で修理中だったタービンが制裁のために戻らないとして、6月半ばに供給量を4割に削減。さらにロシア側はタービンが1基しか稼働できないなどとして、7月には供給量を2割に削減していた。

 ペスコフ氏は「制裁により、パイプラインの稼働が深刻なメンテナンスを必要とする1基に頼っている」とも主張。エネルギー価格の上昇で欧州の市民や企業が苦しんでいるとして、「不合理で有害な決定を下す欧州の指導者が対応すべきだ」と批判した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら