被災した阿蘇神社の楼門、ついに上棟祭 来年12月に全工事終了へ

城戸康秀

 熊本地震で神殿などが被災した阿蘇神社(熊本県阿蘇市一の宮町)で2日、全壊した楼門の上棟祭があった。損壊した国重要文化財6棟のうち5棟は2019年3月までに復旧。最後に残った楼門も来年12月には全工事を終える予定だ。

 上棟祭は楼門をすっぽり覆う、高さ24メートルの「素屋根(すやね)」の中で行われた。最上部の箱棟などの組み立て作業が残っているが、四隅が大きく反り返った上層の屋根は一面スギ板が張られていた。今後は2層の屋根を新たな銅板でふき上げる作業が中心になる。

 工事は事業費ベースで約85%が完了。神社のシンボルとして参拝者や観光客らを出迎えていた楼門は、地震前の姿を取り戻しつつある。来年6月ごろには素屋根の解体も終わり、銅板ぶきの楼門全体が姿を現す見込みだという。

 上棟祭の後、取材に応じた阿蘇惟邑(これくに)宮司は「熊本地震から6年5カ月、無事に上棟祭を迎えることができ、たいへん安堵している」と語り、被災後のさまざまな支援や協力、工事にかかわった文化財の専門家や工事関係者への感謝の言葉を重ねた。(城戸康秀)…

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