秋の明知鉄道 見て味わって きのこ列車もラッピング列車もGO

本井宏人
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 見て幸せ、味わっても幸せ――。明知鉄道岐阜県恵那市)に今月、二つの車両が登場した。

 クローバー模様のデザインをまとったラッピング列車。布製品などを手がける会社を立ち上げた高山市の姉妹が、広告を兼ねラッピングを申し出た。

 姉妹は「社外社員計画」社の中畑久美子社長(37)とデザイナーの美樹さん(34)。それぞれが勤めていた金融機関を退職し、2020年5月に2人で、経営コンサルタントとクッションなど布製品製造販売を兼ねる同社を立ち上げた。

 今回は、布製品のデザインを車両に使ってほしいと鉄道会社などに提案し、明知鉄道が「自然で素朴なイメージがうちにぴったり」と応じた。NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」などのPR車両を走らせたことはあるが、デザイン重視のラッピングは初めてという。

 布製品にはモクレンのデザインもあるが、SNSで投票してもらうと2種類のうちクローバー模様を選ぶ人が多かったといい、中畑社長は「ラッピングはあこがれだった。乗客に高山発の自然のモチーフを感じてもらいたい」と話した。

 来年8月まで路線を走る。

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 恵那市や中津川市などでつくる明知鉄道沿線地域公共交通活性化協議会は17日午後1時から、恵那市の恵那文化センターで「公共交通シンポジウム2022」を開く。

 国土交通省の有識者会議がJR各社のローカル線の一部見直しを求めるなど、赤字路線のあり方が議論になるなか、明知鉄道や沿線の地域バスなどの今後を考えてもらう狙い。会場では午前10時~午後3時半、大小のバス車両展示やミニSL乗車などの公共交通フェスタもある。(本井宏人)

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 明知鉄道(岐阜県恵那市)の「きのこ列車」も1日から運行が始まった。マツタケごはんや土瓶蒸しに加え、ロウジ、マイタケなどの弁当を味わいながら、片道25・1キロの車窓の景色を楽しむ。

 きのこ列車は、食堂車の中でも人気が高く、コロナ禍前は3カ月で5千人近くが乗車していた。今秋は1両あたり通常28人の定員を18人に減らして運行する。

 11月末まで。恵那発午後0時25分の1日1便。月曜は運休(祝日は運行)。1日フリー乗車券やお土産などがついて一般5千円、小学生以下2800円。県の補助を受け、通常より500円安い。5日前までに明知鉄道(0573・54・4101)に予約が必要。

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