留萌線、26年3月末までに廃止 JR北が廃止方針の全5線区で決着

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新田哲史 三木一哉
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 JR北海道が廃止・バス転換を提案していた留萌線(深川―留萌、50・1キロ)について、沿線4市町(北海道留萌市深川市、沼田町、秩父別町)が30日、提案を受け入れることを決めた。同線の石狩沼田―留萌(35・7キロ)は2023年3月末、深川―石狩沼田(14・4キロ)は26年3月末で廃止になる。JR北が16年に廃止方針を打ち出した全5線区がバス転換で決着。JRは不採算路線の整理にめどをつけたが、コロナ禍で鉄道事業の採算は一段と悪化している。(新田哲史、三木一哉)

 4市町の首長とJR北の綿貫泰之社長はこの日留萌市で会議を開き、留萌線の廃止について合意したうえで合意書を締結した。

 JR北は深川―留萌間のうち、深川―石狩沼田間は高校生の通学利用が多いことを踏まえ、石狩沼田―留萌間の廃止後も3年間運行する。その間の年3億円の営業赤字や、折り返し設備の整備費約6千万円はJR北が負担する。

 また、JR北は廃線から最大18年間分の代替バスの運行費を支援するほか、廃線後の街づくりの支援金として4市町にそれぞれ7千万円を出す。

 JR北は7月21日、留萌線を2段階に分けて廃止することを提案。4市町は住民説明会を開催したうえで受け入れを決めた。

 留萌市の中西俊司市長は会議後の会見で、「社会情勢などをいろいろ考えると今が決断の時だ」と語った。深川―石狩沼田間の存続を強く求めてきた沼田町の横山茂町長は「総合的に判断したが、この財産を残したかったというのが正直な気持ちで、無念だ。3年後を見据え、町民と公共交通の基盤を作り上げたい」と語った。

 4市町とJR北は今後、代替バスの運行方法を詰めるほか、跡地利用などについて協議する。JR北の綿貫社長は「代替交通、沿線自治体の街づくりに可能な限りの支援をする」と語った。

 留萌線は1910年に開通。現在は12駅があり、上り7本、下り7本が運行している。人口減や高速道路の整備などで利用客は減り、1キロあたりの1日の平均乗客数を示す「輸送密度」は1980年度は1582人だったが、20、21年度は90人だった。21年度は2900万円の収入に対し6億3500万円の経費がかかり、営業赤字は約6億円にのぼる。

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