関東大震災の朝鮮人追悼、小池知事は今年も追悼文なし 主催者が抗議

編集委員・北野隆一
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 関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を、小池百合子都知事が6年連続で送らない意向を示したことに対し、式典の実行委員会は29日、知事に対する抗議声明を都に提出した。「追悼の辞を送付しないことは、過去の悲惨なできごとを無視する姿勢につながる」と批判している。

 実行委は今月1日、知事あてに追悼文の送付を要請した。これに対し、都は10日、「例年通り送付しません。理由も例年と同じです」と回答した。29日に抗議声明を受け取った都の担当者は「ご要望は速やかに知事と関係部署に伝えたい」と答えた。

 式典は1974年から毎年9月1日に東京都墨田区の横網町公園で開催。歴代知事は毎年、追悼文を出しており、小池氏も初当選直後の2016年には送付した。しかし17年からは「犠牲となったすべての方々に大法要で哀悼の意を表しており、個々の行事への送付は控える」として、送付をしていない。(編集委員・北野隆一

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