「全国唯一の車両」1編成残して引退へ 井の頭線時代のカラーに復刻

朝倉義統
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 石川県の北陸鉄道浅野川線(北鉄金沢―内灘、6・8キロ)で運行している「全国唯一の車両」がある。京王電鉄(東京)から2編成を譲り受け、1996年から26年間走り続けてきたが、そのうちの1編成が9月24日に引退する。北鉄は引退を記念し、ヘッドマークを付けての運行やグッズの販売を始めた。

 引退する車両は、京王電鉄井の頭線(渋谷―吉祥寺)で、「3000系」として活躍した「8802号」と「8812号」の2両1編成。1963年に製造された。現在、井の頭線運行時のアイボリーに「復刻塗装」がされている。

 現在の普通車両の多くは、ドアが両側に開閉するが、この車両は新幹線などのように片側で開閉する珍しい形。29編成が製造された京王3000系の中でも、片側開閉は初期型だけで、全国で見られるのは北鉄の2編成だけだ。

 28日午前、北鉄金沢駅にはこの車両を撮影するために待ち構える鉄道マニアらがいた。朝一番の新幹線で東京から来たという地方公務員の前川太郎さん(56)は、「子どもの頃、井の頭線の西永福駅の近くに住んでいて、最初に覚えた電車。当時のカラーリングなので乗りに来ました」と懐かしそうに話した。

 北鉄では、引退車両の記念ピンバッジ(税込み700円)や記念乗車券(同1千円)の販売を始めた。北鉄金沢駅や内灘駅、ホームページ(http://www.hokutetsu.co.jp/別ウインドウで開きます)で購入できるという。(朝倉義統)

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