国葬も改造も「急ぎすぎた」  強まる逆風、狂った岸田首相の思惑

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楢崎貴司
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 故安倍晋三元首相の「国葬」について、岸田文雄内閣が26日、国費約2億5千万円を支出することを閣議決定した。法的根拠があいまいな異例の追悼形式には世論の賛否が割れる。しかし国会での議論もなされないまま、実施ありきで着々と準備だけが進む。

 「国の儀式を内閣が行うことは行政権の裁量に含まれており、閣議決定を根拠として、国の儀式である国葬儀を行うことは可能だと考えている」

 国葬の費用を閣議決定した26日午前、松野博一官房長官は記者会見で、国民から国葬への批判があることを問われ、国の裁量で実施できると強調した。一方で、弔意表明を求める閣議了解は見送ったとし、国民の批判に配慮する姿勢もみせた。

 岸田首相が国葬の実施を表明したのは、安倍氏の銃撃事件からわずか6日後の7月14日。国葬にこだわったのは首相自身で、安倍氏が歴代最長の8年8カ月にわたって首相を務めたことや遊説中に凶弾に倒れた経緯などを重視。国葬を行えば、多くの海外要人らが訪れて「弔問外交」の機会が得られることや、党内外の保守派からの支持をつなぎとめ、政権基盤を安定させる効果が期待できるとの皮算用もあったとみられる。

 だが、その計算には早々に狂いが生じた。

内閣支持率「上向く要素はない」

 銃撃事件を機に、世界平和統…

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2022年8月27日1時20分 投稿
    【視点】

    国葬にすれば、海外要人が訪れて「弔問外交」の機会が得られるということですが、これはこれまでの慣例となっていた「内閣・自民党葬」でも、内閣が主催に加わるわけですから対応できることではないかと思います。 内閣・自民党葬も国が一部の費用を負

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