鹿島G、逆転で新秩父宮ラグビー場落札 「悔しさ通り越して…」

野村周平
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 明治神宮外苑地区の再開発に伴って建て替えられる「秩父宮ラグビー場」の整備と運営の主体を選ぶ一般競争入札の結果が22日、公表され、鹿島や三井不動産東京ドームなどで構成される事業グループの落札が決まった。

 現ラグビー場を管理・運営する文部科学省の外郭団体、日本スポーツ振興センター(JSC)が事業者を公募していた。入札には三つの事業体が参加した。

 技術点400点、価格点100点の計500点満点で競う審査で、鹿島のグループはともに1位だった。

 JSCの発表によると、鹿島グループの総工費は489億円。総工費にスポーツ博物館の維持管理費を足し、そこから民間事業体が出資する「運営権対価」411億円を差し引いた入札金額が81億円と、3グループで最も安かった。

 スタジアムのデザインや機能性、環境への配慮などを競う技術点でも、鹿島のグループは高評価を得た。

 ほかに入札に参加したのは楽天や清水建設などの事業体と、三菱地所やNTTなどの事業体。楽天のグループが2位、三菱地所のグループが3位だった。

 当初は三菱地所のグループが優位とされていたが、後になって入札への参加を決めた鹿島のグループが逆転した形だ。敗れた関係者は「(鹿島のグループは)ここまで価格を抑えられるのか。悔しさを通り越して驚いた」と語った。

 鹿島のグループの内容は、ラグビーの試合の収容人数が約1万5千人。他のイベント開催時は約2万人。1面に大型ビジョンが配置され、3面に観客席が設置される。

 鹿島の事業グループにはほかに、東京建物、松田平田設計、読売新聞東京本社、日本テレビ、エイベックス・エンタテインメント、ニッポン放送、ソフトバンク、ALSOKなどが参加した。

 新しい秩父宮ラグビー場は、現在の神宮第2球場の跡地に建てられる。2024年に着工、27年12月末に供用開始の予定という。

 神宮外苑の再開発を巡っては、周辺の樹木を大量に伐採する事業計画が問題となっている。(野村周平)

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