仙台育英、東北勢初の夏の甲子園優勝 下関国際を8-1で破る

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(22日、第104回全国高校野球選手権大会決勝 仙台育英8-1下関国際)

 第104回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社・日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)第14日は22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、仙台育英(宮城)が8―1で下関国際(山口)を破り、29回目の出場で初の全国制覇を果たした。東北勢として悲願の初優勝になった。

 東北勢が決勝に臨むのは4年ぶりで、仙台育英の3回を含めて10回目だが、いずれも準優勝止まりだった。

 1915年に開かれた第1回大会の決勝は、秋田中(現秋田)が延長十三回の末、サヨナラ負け。第85回大会(2003年)は、ダルビッシュ有(現大リーグ・パドレス)がいた東北(宮城)が接戦で敗れた。光星学院(青森、現八戸学院光星)は、第93回大会(11年)から2年連続で決勝に進出した。第100回大会(18年)は金足農(秋田)が準優勝した。

 仙台育英は、これまで第71回大会(1989年)と第97回大会(2015年)の2回、決勝に進んだ。大正から令和にかけて1世紀を超える大会の歴史において、東北勢としても悲願だった初の頂点に輝いた。

 初の決勝に進んだ下関国際は、山口勢としては第40回大会(1958年)の柳井以来、64年ぶり2度目の頂点をめざしたが、届かなかった。

 今大会は3年ぶりに一般客が入場した。昨年は悪天候の影響で順延(一部順延を含む)は過去最多7度にのぼったが、今年は第100回大会(2018年)以来4年ぶりに順延がなく、予定の14日間(休養日除く)で全日程を終了した。

 大会前、新型コロナウイルスの集団感染が発生した代表校は抽選会に出席せず、日本高野連の宝馨会長が代理でくじを引いた。回復までの期間をできる限り確保するため、初戦が第8日に設定された。

 また、試合前に登録選手の感染が確認された代表校も、一部を改定した感染拡大予防ガイドラインに基づき、PCR検査で陰性が確認された選手と入れ替えたことで、全49代表が辞退することなく試合を行った。

 決勝進出2校が準決勝までに本塁打なしは51年ぶり。関東勢は昨年に続いて準々決勝進出校がなく、2年連続は49代表制が始まった第60回大会(1978年)以降で初めてだった。第100回大会から続いていた近畿勢の決勝進出は、中止だった2020年を挟み、3大会連続で止まった。

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    江渕崇
    (朝日新聞経済部次長=日米欧の経済全般)
    2022年8月22日17時57分 投稿
    【視点】

    「学問で身を立てて、薩長の連中を見返してやりたい」。戊辰戦争敗戦の記憶も生々しい明治期、会津出身の一人の青年が、そう志を立てました。のちに仙台育英を創設する加藤利吉翁(1882-1962)です。白虎隊が眠る会津若松・飯森山には彼の像がありま

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