コロナ禍の影響で目標に届かず JR四国5カ年推進計画の初年度

福家司
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 【香川】JR四国は7月29日、経営改善を求める国の行政指導に基づき策定した「5カ年推進計画」(2021~25年度)の初年度の検証報告書を公表した。コロナ禍の影響が大きく、全線の1日当たりの平均通過人員などの指標は目標に届かなかった。

 基本指標となっている全線の平均通過人員は1日当たり2955人で、目標値としていたコロナ禍の影響が深刻化する前の19年度の66・9%にとどまった。また、関連指標としていた全線の1列車1キロ当たりの平均輸送人員は49・2人で、目標値としていた19年度の72%にとどまった。

 平均通過人員を路線別に見ると、瀬戸大橋区間を含む本四備讃線が19年度比54・7%と特に低く、JRは「長距離客の減少が大きかった」とみている。また、基本指標より関連指標の方が落ち込みが少ない点は「コロナ禍で列車の減便を実施したため」としている。

 一方、「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会Ⅱ」の中間整理に基づく県別の懇談会で実施するとしていた4県の利用促進策は、おおむね予定通り実施されたことも報告された。

 JR四国総合企画本部の新居準也担当部長は「各県にはご協力をいただいたが、21年度は目標は達成できなかった。コロナ禍が長期化し、働き方の変化やインバウンドの激減などもあり、25年度までに19年度並みという目標の達成は難しいのではないか」との見通しを示した。

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