鉄道廃線から36年、代替バスも廃止 赤字耐えきれず 地域任せ限界

有料記事

編集委員・堀篭俊材
[PR]

現場へ! ローカル線のあした④

 7月下旬の夕方、路線バスに乗りこむと、乗客は1人もいなかった。

 「蝦夷(えぞ)富士」と呼ばれる羊蹄山のふもとにある北海道南西部の喜茂別(きもべつ)町。ここから伊達市大滝までのバス路線は、過疎化による乗客の減少により、9月いっぱいで廃止が決まった。

 「時代の流れ。利用者も減ったので仕方がない」。地元の喜茂別町商工会の堀浩和会長(53)は話す。「バスがなくなるのは寂しいが、実際不便を感じることはないと思う」

 バス運行の歴史は古い。国鉄が分割民営化される前年の1986年、現在のJR倶知安(くっちゃん)駅から伊達紋別駅を結んでいた胆振(いぶり)線が全線廃止となった。その代わりに地元5市町とバス会社がバスを走らせている。

 倶知安と伊達市を結ぶバス路…

この記事は有料記事です。残り988文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら