「花を咲かせる土を想像して」 羽生結弦さんから子どもたちへエール

有料記事

岩佐友

 フィギュアスケート男子でオリンピック(五輪)2連覇を果たし、7月にプロ転向を表明した羽生結弦さん(27)が、朝日新聞の単独インタビューに応じた。羽生さんが今も大事にしている「9歳の自分」を振り返りながら、子どもたちへのアドバイス、そして、指導者や親の関わり方について、考えを語った。

 羽生さんはこれまで折に触れて「9歳の自分」を引き合いに出してきた。

 2019年 「ずっと9歳の自分と戦っている。心からスケートが好きで、自信があることに素直でいられた。その時の自分に『お前、まだまだだろ』と言われている」

 21年 「技術的には今が間違いなく一番強い。けど、精神的にはあの頃が一番強くて輝いていた」

 22年の北京五輪後 「今回の(クワッド)アクセル(4回転半)は9歳の自分に褒めてもらえた。一緒に跳んだっていうか」

 新たなスタートを切った羽生さんの原点を探りたいと思い、聞いた。

スケートが好きじゃなかった8歳

 9歳の時、なぜ、そこまで素直に、強い心でフィギュアスケートに向き合えていたのか。当時の羽生さんは、どんな少年だったのか――。

 うなずきながら質問を聞いて、羽生さんは語り始めた。

 「なんか自分が跳びたいジャ…

この記事は有料記事です。残り2072文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年8月13日10時46分 投稿
    【視点】

    羽生選手が語るからこそとても説得力のある素晴らしい提言です。いずれ花を咲かせるだろう土をつくる作業はつまらないかもしれないけど、それがないと花は咲かない。これ、すべての分野に当てはまることではないでしょうか。以前アメリカ人の英語教師から「日

    …続きを読む
SPIN THE DREAM 夢を追って 羽生結弦

SPIN THE DREAM 夢を追って 羽生結弦

夢を追い続けてきた羽生結弦のフィギュアスケート人生を、未公開を含む多くの写真で振り返ります。[もっと見る]