「香港脱出」が加速、3年で人口21万減 「若者と高学歴者が移民」

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広州=奥寺淳
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 香港の人口減少が止まらない。香港政府が11日に発表した統計によると、6月末時点の人口は729万1600人で、1年前から約12万人(1・6%)減った。1997年の英国から中国への返還以来、最大の人口減となった。中国共産党の統制強化で、移民が急増したことが響いた。

 「生まれ育った故郷を離れたくないが、自由のない香港が好きになれなくなった」。ホテル業界で約30年働いてきた女性(49)は10日夜、英国に移民するためロンドン行きの飛行機に乗った。英国政府によると、3月末までの14カ月間で、すでに約11万3千人が移民の特別ビザを取得した。移民の増加が、香港の人口流出を加速させている。

 香港では2020年に香港国家安全維持法国安法)が施行され、当局による言論弾圧や民主派の逮捕が続いた。人口は香港返還時の約650万人から増え続けていたが、19年の750万人をピークに減少に転じた。今年6月末までの3年間の合計では約21万6千人減った。

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この記事を書いた人
奥寺淳
編集委員|米中・国際関係担当
専門・関心分野
米中、日中、国際関係