連合赤軍「元兵士」からZ世代への告白 平行線の議論が交わった瞬間

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清水大輔
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 かつて共産主義社会の実現のため暴力による革命を志した「元学生」と、SNSを通じた社会との関わり方にたける「Z世代」と呼ばれる学生とによる異色の対談が6月半ば、都内で開かれた。

 世の中を変えるためには「今も昔も武力が必要だ」と一方が言えば、もう一方は「全く想像できない」。半世紀をまたぐ新旧学生間の対談はかみ合わないまま終わるかに思えた。しかし、「元兵士」の「告白」が端緒となり議論は思わぬ方向に進んでいく。

 シンポジウムは「あさま山荘から50年 多様な視点から考える連合赤軍」。1972年2月に長野県軽井沢町で起きた「あさま山荘事件」から50年となったのを機に、元メンバーなどからなる「連合赤軍事件の全体像を残す会」が主催した。

あさま山荘事件

1972年2月19日、連合赤軍メンバー5人が長野県軽井沢町の保養施設「あさま山荘」に侵入し、管理人の妻(当時31)を人質に立てこもった。警察は建物を包囲したが、ライフル銃や猟銃、拳銃、手製爆弾も使って抵抗した。 これに対し、警察は28日から強行作戦を開始。激しい攻防の末、発生から219時間後、3階で人質を救出し、5人を逮捕。警視庁の警視と警部が銃弾を受け、殉職した。

 連合赤軍とは71年末に結成されたグループで、共産主義社会を実現するため、武力を用いた革命を企てた。闘争のための現金を銀行などから強奪した「赤軍派」と、栃木県内の銃砲店から猟銃などを奪った「革命左派」という二つの組織から成る。

 集会にはいずれも革命左派元メンバーの岩田平治さんと雪野建作さんが参加した。映画監督の森達也さん、作家の雨宮処凛さん、連合赤軍を描いた漫画家の山本直樹さんらと事件の背景について語り合った。

「元兵士」たちが学生運動にのめりこんだ理由

 岩田さんと雪野さんが学生生…

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