チョコミントアイス、家族で食べ比べたのに 自由研究の自由って何だ

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田渕紫織
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 自由って言われても、何をやればいいかわからへん――。

 2年前の夏、京都市に住む教育学者の西郷南海子さん(34)は、次男の琳(りん)さん(8)が自由研究を前に悩んでいる姿を見た。

 当時は小学校1年生。初めての自由研究だ。「好きなチョコミントアイスで実験でもやってみたら?」と提案し、チョコミントアイスの食べ比べをすることにした。

 各社のアイスを毎日少しずつ買ってきた。

 たくさんのアイスを前に琳さんは、「比べられへん。いったん水飲むわ」と言った。1日1個だと味を忘れるので、一口食べたら水を飲むことにしたのだ。

 同じ条件のもとで比較するのは実験の基礎だ。科学的な視点のめばえを感じた。

 画用紙に各社のパッケージを貼って比べたり、ミントとチョコレートの味のバランスについてメモしたり。想像以上にのめり込んでいった。

 でも、夏休み中盤のある日、完成した画用紙を見つめて、琳さんは言った。

 「これを学校に出すのは、おかしいと思う」

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 驚いた南海子さんは、「なん…

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