経済インサイド
「違反者が増えています。支社長から注意してくれませんか」
昨秋、北関東の店舗の従業員からこんな相談があった。違反とは髪の色のことだ。社内の服装ルールで、「明るすぎる髪色」は禁止している。染めてから時間がたって色あせてきたのか、髪が明るくなり始めたアルバイト従業員が何人もいて、店長が注意してもなかなか直らない、という。
相談を受けて、従業員を指導した。すぐに従業員の髪は暗い色に戻った。でも、働くモチベーションは明らかに下がったように見えた。
「まぁ、そうなるよな」と思うと同時に、経営理念に「変化対応」を掲げているのに、社内では昔つくったルールに縛られたままでいることに違和感を感じた。
ディスカウント店「ドン・キホーテ」の現場での話だ。運営する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)」で、群馬や埼玉の店舗を管轄する支社長、菅野慶介さん(44)はこの経験から会社に変化することを訴えた。「ルールを緩和してもいいんじゃないですか」
PPIHではもともと、店舗の従業員が髪を染める場合、色の基準は少し明るめの茶髪にあたる「トーン10」以下という決まりがあった。爪は業務に支障が出ない長さで、ネイルはナチュラルな色であれば認められたという。
菅野さんは、まずは髪色のルールを変えようと考えた。昨年11月、全国の支社長125人が集まる会議で提案すると、賛同の声は多かった。
「ルールは必要」慎重な声 それでも切ったかじ
ただ、賛同ばかりではなかっ…
- 【視点】
■求人広告に金髪社員を登場させよ ヘアカラーとは、自分磨きである ここ数年で大きく変わったものといえば、ビジネスパーソンのヘアカラーだ。髪型やヘアカラーは社会の変化を反映している。90年代に茶髪が増えたのは、テレビに登場するタレントやア
…続きを読む