第2回「無理ゲー」に思えた読書感想文 飯間浩明さん「感動しなくても…」
夏休みの宿題に出る読書感想文に、悩む子どもは多いのではないでしょうか。日本語学者で辞書編纂(へんさん)者の飯間浩明さんも、小学生時代は苦労したと言います。自身の人生を変えた本や、子どもにすすめたい読書経験についても聞きました。
小学生時代の感想文を読み返すと
――ご自身が小学生のとき、読書感想文には悩みましたか?
かなり苦労して書いた覚えがあります。小1では松谷みよ子の「コッペパンはきつねいろ」、小2ではガネットの「エルマーのぼうけん」を選びました。
読んだ時のワクワク感が、文字にすると薄れてしまうんですよね。
――なぜでしょう?
母に「ここは直したほうがいい」と次々アドバイスされて、子ども心に「読書感想文ってこんなにいろいろ暗黙のルールがあるのか」と感じた記憶があります。
それならどう文字にすればいいのかと、今で言う「無理ゲー」に思えました。私と同じように、つらいと感じている子は多いんじゃないかな。
当時の原稿用紙をよく見ると、母の書き込みが薄く残っています。
私があらすじしか書いていない箇所には「よかったね」「たのしそうだね」などと感想が補われている。でも、それは私自身の感想ではないのでね(笑)
人生を変えた本、わずかだけれど
――どうやって乗り切ったのですか。
中学になったら反抗期になっ…
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- 【視点】
子どもの頃、読書感想文コンクール入賞の常連さんでした。入賞すると、とてもうれしかったのを覚えています。 ただ、何を読んだか、何を感じたかを覚えていない。致命傷です。 なんで何も覚えていないのかを考えると、自分の言葉を通り過ぎた言葉を
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