新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザがこの冬、同時に流行する可能性があることを踏まえ、日本医師会の釜萢(かまやち)敏・常任理事は31日の記者会見で「(コロナとインフルワクチンとの)同時接種は安全性の根拠を持って実施できる」と述べ、幅広く接種するよう呼びかけた。

 すでに冬を迎えたオーストラリアでは季節性インフルエンザが流行し、日本でも新型コロナと同時流行する懸念が指摘されている。

 新型コロナのオミクロン株に対応した新しいワクチンについて日本の政府は、2回目を打った18歳以上のすべての人を対象に9月にも接種を始める方向で調整している。一方、季節性インフルのワクチン接種は10月から本格的に開始される予定となっている。

 釜萢氏はこの二つのワクチンに関して、厚生労働省の審議会で同時接種できることが了承されていると説明。健康上のリスクはないとし、「同時接種を含めて幅広く接種する方法が望ましい」と話した。

 実際に同時接種する場合、コロナワクチンを打った直後に別の腕にインフルワクチンを打つという手順についても解説。接種のために2回にわけて医療機関に行く必要がなく、利便性が高まるとの見方を示した。(村井隼人)