リニアの多治見の工区が本格着工 発生土はベルコン搬出
本井宏人
リニア中央新幹線の第一中京圏トンネルのうち、岐阜県多治見市部分の大針工区(5・0キロ)の安全祈願式が28日、同市大針町の工事現場であり、本格着工した。非常口にもなる1・0キロの斜坑を掘削後、本線トンネルを掘り、2026年6月の完成をめざす。
第一中京圏トンネルは、可児市から終点の名古屋市までの34・2キロ。全線でも東京都と神奈川県を通る第一首都圏トンネル(36・9キロ)に次ぐ長さ。岐阜県では、20年9月に本格着工した可児市の大森工区(4・9キロ)と大針工区の2工区がある。
JR東海によると、掘削による発生土は、斜坑の入り口から長さ670メートルのベルトコンベヤーで地元の砂利採取業者の敷地に搬出する。「健全土」は近くのリニア用変電所造成などに使い、重金属などを含む「要対策土」は可児市の汚染土処理施設に持ち込むという。
安全祈願式には52人が出席した。神事の後、JR東海の加藤均・執行役員は「ベルトコンベヤーを使うことで、ダンプカーなどの通行を大幅に減らせる」。多治見市の古川雅典市長は「事故などのトラブルがあればすぐに工事を中止するなどの条件付きで、工事に協力したい」と話した。