上毛かるたを徹底比較 群馬大の図書館で企画展 8月末まで

星井麻紀
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 全国きっての「かるた県」群馬。おなじみの「上毛かるた」の珍しい初版や、その影響を受けて様々な発展を遂げたかるたの世界を紹介する企画展が、前橋市群馬大学中央図書館で開かれている。

 「上毛かるたは図柄の違う『新』『旧』の2版と思っている人が多いですが、実はその前に『初版』があります」と企画した図書館の山内可菜さん。図書館は所蔵していないが、安中市の上毛かるた研究家の田村聖志さんから借り受け、初めて3版を並べて展示した。

 初版では「老農船津傳次平」の姿が正面だが、次版は後ろ向き、最新版は肖像画風と変化。「仙境尾瀬沼花の原」は最新版だけミズバショウが咲き乱れ、「力あわせる二百万」は最新版で「日本」の文字が消えて「群馬」に。細部に至っては様々な違いがあり、「切り替わった謎を考えるのもおもしろい」と山内さん。県などが作った「上毛かるた」の英語版も英訳が異なる三つの版を並べた。

 圧巻なのは、日本一の数を誇るという県内の「地域かるた」の展示と、「上毛かるた」の影響を受けて作られた県外のかるた。全国には2700ほどの地域かるたがあるが、約150が県内のもので、都道府県別では突出した数という。

 県内のかるたは今回、「中之条かるた」や「にいさとかるた」など、図書館のデジタルアーカイブで非公開の17種類を入れ替え制で展示する。県外は、結婚で広島県に転居した人が「広島にもかるたを」と作った「おりづるカルタ」や、上毛かるたに刺激を受けて作成された「厚木かるた」など4種類だ。「2~3世代で共通の話題になる上毛かるた。比較をお楽しみください」と山内さん。

 8月末まで(8月の土日、11~16日は休館)。入場無料。問い合わせは図書館(027・220・7185)。(星井麻紀)

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