広島知事「存廃議論にならぬよう」 乗客「1千人未満」で見直し提言
戸田和敬
赤字が続くJR各社のローカル線のあり方について国土交通省の有識者会議が25日、提言をまとめた。1キロあたりの1日平均乗客数(輸送密度)が「1千人未満」などの条件を満たせば、会社側や自治体側が見直しの協議に入れるなどとしたことに、県内の首長から警戒する声も上がった。
湯崎英彦知事は記者団に「JRが関与して地域の公共交通の持続可能性を高めると書かれていることは評価している」としつつ、「協議会設置が存廃議論の入り口と同義にならないよう、幅広い検討が必要だ」と述べた。JR西日本が公表した「2千人」の目安より低いとし、「より厳しい状況の線区を抽出したような形で廃止を目的としたものに見えてしまう」と懸念を示した。
JR芸備線沿線の庄原市の木山耕三市長は「協議会入りが廃線に直結するものではないことを明確に示すよう求める」。三次市の福岡誠志市長は「沿線市町からの意見を十分に聞く機会を担保した上で進めてほしい」との談話を出した。