赤字ローカル線見直し提言 条件の「千人未満」、山口県内は5区間

前田健汰
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 赤字が続くJRのローカル線について国の有識者会議が25日まとめた提言で、1キロあたりの1日平均乗客数(輸送密度)が「1千人未満」が見直し協議の条件とされた。JR西日本によると、2019年度実績で山口線(宮野―島根県津和野)、小野田線(小野田―居能など)、美祢線(厚狭―長門市)、山陰線(島根県の益田―長門市、長門市―小串・仙崎)の4路線5区間が山口県内で該当する。

 隣接する駅間の1時間あたりの乗客が500人を超える場合や「主要な特急」が走る路線は除くとされたが、同社は「500人超」の区間を公表していない。

 提言を受け、村岡嗣政知事は「地方ローカル線の活性化等に向けて、沿線市町等と連携して対応したい」とのコメントを出した。

 伊藤和貴・山口市長は同日の記者会見で「山口線は山陽と山陰をつなぐ主要路線で、松江への特急列車が通り、SLやまぐち号が走る象徴的な区間。残すべきだという感覚はたぶん、JRも分かっている」として、存続を求めた。江原達也・長門市長は「山陰線や美祢線など、通勤通学に欠かせない生活路線。国の強力な財政支援を求めていく」、田中文夫・萩市長は「路線の維持が図られるよう、国や県に、鉄道事業者と沿線自治体との間で議論がされるよう要請していきたい」とコメントした。

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この記事を書いた人
前田健汰
文化部|麻雀担当
専門・関心分野
麻雀、演芸、演劇