「発熱外来、行かなくても」 佐々木淳医師、コロナ第7波への提言
新型コロナウイルス感染症がこれまでにない規模で拡大する中、医療の逼迫(ひっぱく)が心配されます。第7波の現状や課題について、医療法人社団「悠翔会」(東京都港区)の佐々木淳理事長に聞きました。発熱外来の運用を見直していくことが、行動制限をせずにこの波を乗り切るかぎになると言います。
――7波の首都圏の発熱外来はどんな状況ですか。
悠翔会在宅クリニック稲毛(千葉市稲毛区)の発熱外来で7月下旬、半日で約30人の患者の抗原検査をすると、1人を除いて全員、陽性でした。
千葉市以外から受診された人もいて、診療所内は混み合い、屋外で待っていただいた患者さんもいました。
検査をして結果を伝えたら、注意点などを書いた紙を渡し、自宅に戻ってもらいます。医師が後から電話をして説明し、質問があれば答える。必要な薬は薬剤師が各家庭に配ります。
同じような内容の説明を一人ひとりに30人分、繰り返します。
でも、鼻腔(びくう)ぬぐい液をとる検査以外は、オンライン診療でできるし、チャットのやりとりでもかなりの部分は対応できます。現状は、非効率です。
オンラインで完結できる仕組みを
――政府は22日、重症リスクが低いとみられる人を対象に、発熱外来で抗原検査キットを配り、自分で検査をしてもらう仕組みを始めると発表しました。
自主検査はよいのですが、具合が悪い人が検査キットをもらいに発熱外来に行かなくてもよい仕組みにできないでしょうか。
ウェブで依頼すると、検査キットが自宅に届き、陽性登録もウェブ上でできる。外来に足を運ばなくても、オンラインで完結する。
そういう仕組みは、政府が本腰を入れて民間の力も借りれば、すぐにでもできるのではないでしょうか。半日や1日で検査キットを届けることも可能です。
これから都道府県ごとに仕組みをつくるよりも、国が一元的に管理するほうがよほど効率はよいと思います。
さらに政府には、発熱外来の運用を適正化するような強いメッセージを出してほしい。
記事の後半では、みなし陽性や証明書のあり方についても語ります。
検査は治療が必要な人に
――適正化ですか。
検査すべきなのは、新型コロ…
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