道はローマに通ず 粘菌の「知性」、イタリアの都市ほぼ再現

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玉木祥子
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 アメーバのように自在に形を変える「粘菌」。単細胞で脳を持たないのにエサまでの最短経路を導き出す「賢さ」をもつ不思議な性質を持つ。粘菌の性質を使えば、都市がどのように発展してきたのかを読み解くことができる――。

 そんなユニークな論文を香川大や北海道大などの研究チームが科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。

 チームの一人、北海道大の中垣俊之教授は、落ち葉などの暗い場所に生息する黄色い粘菌「モジホコリ」を研究する。

 中垣教授は長年粘菌の「賢さ」を追究し、「人々を笑わせ、考えさせる」研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を2度受賞している。粘菌は細長い管のような形になって広がっていき、細胞内の液体の流れが活発なほど、その管の太さが太くなり、流れが弱くなれば消滅する。複雑な迷路であっても、最終的にエサまでの最短経路をつなぐ管だけが残る。この性質を「流量強化則」と名付け、数式化した。

 この数式を使い、都市がどのように発展してきたのか、解き明かせないか。

 香川大の青木高明准教授(ネ…

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