【詳報】自民63、立憲17、維新12 参院選、議席確定までの動き

政治タイムライン

 第26回参院選は、10日に投開票され、11日午前までに全議席が確定しました。外交や経済政策、新型コロナウイルス対策など各党の訴えを有権者はどう判断したのでしょうか。投開票日から翌日にかけての開票状況や各陣営の動きを時系列でまとめました。

■■■7月10日■■■

期日前投票、過去最多の1961万人

 総務省は10日、参院選の期日前投票(選挙区)が、参院選では過去最多の1961万3956人となったと発表した。6月21日時点の在外も含めた選挙人名簿登録者の18・60%にあたる。

 前回2019年の参院選と比べて、255万人あまり多い。今回は期日前投票の期間が17日間と、前回より1日長く、過去最多を更新した。

20:00

出口調査 自民で60議席台、立憲はふるわず

 10日投開票の参院選について、朝日新聞社などが実施した出口調査による推計では、自民党は改選55議席を上回り、60議席台に乗る見通し。公明党も改選14議席確保をうかがう。与党で改選過半数(63)を大幅に上回る勢いで、非改選70議席を含めると、定数の過半数(125)を超える。

 立憲民主党はふるわず、改選23議席を割りそう。日本維新の会は改選6議席を倍増させ、10議席台になる勢い。国民民主党(改選議席7)、共産(同6)は5議席前後となる見込み。

 れいわ新選組(同0)は複数議席を視野に入れる。社民党(同1)、NHK党(同0)、政治団体の参政党は議席を獲得できるかどうか。

 自民、公明両党に、国会での憲法改正論議に積極的な維新や国民を合わせると90議席台をうかがう。非改選84議席を含めると改憲の国会発議に必要な3分の2(166)以上になる公算が大きい。

 調査は全国45選挙区の3690カ所の投票所を選び、投票を終えた有権者を対象に実施した。

20:00

自公、改選過半数の獲得確実に

 自民と公明の両党が計63議席以上の獲得を確実にした。今回の参院選で争われた125議席の過半数を与党が制したことになる。

20:00

れいわ 比例区で議席獲得確実

 れいわ新選組が比例区で議席獲得を確実にした。山本太郎代表は昨秋の衆院選で当選したばかりだったが4月に議員辞職し、参院選東京選挙区に自ら立候補。街頭演説などで選挙戦の前面に立ち、比例票の底上げを図った。れいわは、2議席だった19年参院選に続く議席の獲得となった。

20:00

参政党、比例区で議席獲得確実に

政治団体の参政党が比例で議席獲得を確実に。国政選挙に初めて50人を擁立した。

20:05

維新・松沢氏「政権を狙えるような政党に成長を」

 維新前職の松沢成文氏が参院神奈川選挙区(改選数4+欠員1)で3回目の当選を確実にした。「党のなじみが薄い」(松井一郎代表)として重点区に位置づけた選挙区だった。

 午後8時、「当選確実」が報じられると、横浜市西区の事務所では支援者らの「おー」という声と拍手が響いた。それから2分後、松沢氏が現れると、事務所は再び拍手で沸いた。

 松沢氏は「改革保守、第三極をつくるという私の改革の姿勢をご理解いただいた。日本維新の会が関東でも本物の改革政党として育っていくには、今回の我々の勝利が『ホップ』です。来年の統一地方選が『ステップ』です。そして、来たるべき総選挙で政権を狙えるような政党に成長して、力を合わせてこのプロジェクトを成功させたい」と述べた。

 松沢氏は2003年から神奈川県知事を2期8年務めた。

20:05

埼玉 再選の前知事「日本を変えていくための戦いに邁進」

 埼玉選挙区(改選数4)では、前埼玉県知事の上田清司氏=無所属現職=の再選が確実になった。上田氏は、埼玉県朝霞市内の事務所近くで「日本を変えていくための戦いに、これからも力強く邁進(まいしん)していく」と述べた。

 上田氏は1993年に衆院議員に初当選し、民主党などに所属した。2003年に埼玉県知事に転身し、4期16年にわたって務めた。18年には全国知事会長にも選ばれた。

 知事退任後、19年の参院埼玉選挙区の補欠選挙に無所属で立候補して当選し、国政に復帰。今回は国民民主の推薦を受けていた。

20:05

自民・福田氏「やるべきこと、内外ともに山積している」

 自民党の福田達夫総務会長はFM東京の番組で、改憲発議に必要な3分の2を確保する見通しとなり、改憲論議が加速するか見通しを問われ、「我々がやらなきゃいけないことは内外ともに山積している」と慎重な姿勢をにじませた。

 福田氏は「そもそも私も各地域に回ってお願いしたのは、政治の安定を頂きたいと(いうことだ)」と強調。その上で「世界は非常に流動化している。国内も30年ぶりの物価高で、非常に不安感がある。このことに対して、社会構造の転換も含めて時間をかけてでもやらせて頂きたいと申し上げていた」と語った。

20:10

岡山 再選の一報後に「黙とう」

 自民党の安倍晋三元首相が銃撃されて亡くなる前日、応援に訪れていた参院選岡山選挙区(改選数1)の自民現職、小野田紀美氏(39)は再選を決めた。小野田氏は岡山市内の事務所で「(選挙戦の)後半にああいったことがありましたので、最後まで笑顔で、というわけにはいかなかった」と語った。その後、陣営は黙とうを捧げた。

20:10

自民・三原氏が3選、進次郎氏も祝福

 参院神奈川選挙区(改選数4+欠員1)で自民現職の三原じゅん子氏が3回目の当選を確実にした。

 横浜市中区の選挙事務所で、三原氏は集まった支持者を前に「皆様の期待にしっかり応えていきたい。支えて下さった皆さんに心から御礼申し上げたい。安倍元総理の遺志を継ぎ、働いて参りたい」と語った。

 菅義偉前首相や自民神奈川県連会長の小泉進次郎・元環境相も祝福に駆け付け、三原氏をねぎらった。

 三原氏はかつてドラマ「3年B組金八先生」に生徒役で出演した元俳優で、2010年の参院選に全国比例区で立候補し、初当選。16年の参院選から神奈川選挙区にくら替えした。20年から21年にかけて厚生労働副大臣を務めた。

20:10

大分 九州の1人区で野党唯一の議席を守れず

 大分選挙区(改選数1)は、4選をめざした国民民主現職の足立信也氏(65)が、自民新顔の古庄(こしょう)玄知(はるとも)氏(64)=公明推薦=に敗れ、九州の1人区で野党唯一の議席を守れなかった。

 大分市内で支持者に力不足をわびた足立氏は、安倍晋三元首相の銃撃事件に触れ、「人の命の大切さを改めてみなさんが感じたと思う」と述べた。その後、報道陣から選挙戦への影響を問われると「一番大きかったと思う。テレビで一日中、安倍さんの映像が流れ、世界中から称賛の声があがる。そうなると勝負にならない」と語った。

 「野党統一候補」として臨んだ6年前の参院選も古庄氏と競り合い、1090票差で勝利。今回は党参院幹事長を務め、連合大分や立憲民主の支援も得た。だが、党が国会で政府の新年度予算案と補正予算案に続けて賛成。足立氏は採決を欠席したが、共闘は崩れ、共産は独自候補を擁立し、社民は自主投票という苦しい展開になった。

20:15

山口 3選の自民陣営、喪章つけ万歳も花束も無し

 山口選挙区(改選数1)は過去最多の7人が立候補するなか、自民現職の江島潔氏(65)=公明推薦=が、新顔6人を抑えて3選を果たした。駆けつけるはずだった安倍晋三元首相の姿はなく、江島氏は喪章をつけて壇上に。万歳も花束贈呈もなく、涙を浮かべてあいさつした。

 安倍氏は公示後の6月24、25日に応援に入り、開票も山口市の会場で見守る予定だった。午後8時に「当選確実」の報が流れると約160人から拍手が起きたが、江島氏は硬い表情のままだった。

 6月の応援演説に触れ「まさかあのまま(安倍氏に)会えなくなるなんて全く考えていなかった。一緒に当選を喜んでいただけるはずだったのに」と、壇上で声を詰まらせた。その上で「安倍元総理がめざしてきた国づくりに命を賭して取り組んでいきたい」と述べた。

20:15

東京 再選の共産・山添氏「消費税を下げ給料を上げる」

 東京選挙区の共産現職の山添拓氏は、組織力などを背景に再選を確実にした。当確が伝えられたのは午後8時1分。約15分後に東京都千代田区の事務所に姿を見せ、支持者らを前に「消費税を下げ給料を上げる。暮らしを直接支える政治に変えるために、全力を挙げて頑張りたい」と2期目の意気込みを語った。

 選挙戦では、物価高の対策として、最低賃金の引き上げや消費税の減税を主張。ロシアのウクライナ侵攻で防衛力強化の声が強まる中、「戦争しないことがお互いの(国にとって)尊厳につながる」と、憲法9条を生かした外交の重要性も訴えた。若者層への浸透も重視しており、渋谷・ハチ公前で何度も演説したほか、SNS上のイベントにも積極的に参加した。

20:20

3選の立憲・小西氏「約束したことを実現していきたい」

 千葉選挙区(改選数3)では、立憲現職の小西洋之氏(50)が3選を決めた。

 小西氏は千葉市内のホテルで支援者らを前に、「コロナの7波がやってくる。物価問題もある。ライフワークである医療政策や子どもの政策など、公約で約束したことを実現していきたい」と述べた。

 小西氏は総務省職員を経て、2010年の参院選で初当選。千葉選挙区では13年以来、自民が2議席を得ており、今回は維新と国民も候補者を擁立。「過去とは次元の違う厳しい選挙」との見通しを示していた。

 街頭演説では「物価高と戦う夏」を掲げ、金融政策の見直しなどを主張。党の泉健太代表も来援し、「岸田インフレという言葉を編み出したのは小西洋之」と訴え、支持拡大を図った。

20:20

自民の遠藤選対委員長「評価をいただいた」

 自民党の遠藤利明選挙対策委員長は東京MXテレビの番組で「与党大勝」と報じられていることについて、自公連立政権が評価されたとの結果との見方を示した。遠藤氏は「特に物価高とか外交とか問題は多いが、そうしたことをしっかりやるのは自民党、公明党の連立政権だという評価をいただいて、こうした今の流れが出てきている」と述べた。

20:20

立憲「最重点区」の青森で勝利

 青森選挙区(改選数1)では、元農水政務官で立憲民主現職の田名部匡代氏(53)が自民新顔の候補ら3氏を退け、再選を決めた。

 田名部氏は青森市内で支援者らを前に「一色に染まらない。ダメなものはダメといえる政治家が必要。青森県民の生活が少しでも良くなり、楽になったと思えるようにしたい」と述べた。

 元自民衆院議員で農水相を務めた父・匡省氏の地盤を引き継ぎ、2003年以降、衆院議員を3期務め、16年に参院にくら替えした。

 青森選挙区は、共産が独自候補を擁立しなかった全国12の1人区のうちの一つ。立憲は「最重点区」として、公示日の第一声に泉健太代表が応援に入るなどてこ入れを図った。

20:20

立憲新顔の辻元清美氏が当選の報に「即戦力として働く」

 立憲新顔で元党副代表の辻元清美氏(62)が比例区で当選を確実にした。辻元氏は大阪府高槻市の事務所で支援者に向かい、「『全国で頑張ってこい』と後押ししてくださった。即戦力として働く」と述べた。

 辻元氏は昨秋の衆院選で大阪10区から立候補したが、維新の新顔に敗れて落選した。参院選では「暮らしを守る」「平和を守る」「女性議員の議席を増やす」などと訴えた。大阪府と大阪市が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)計画について「維新の進めるカジノを阻止する。カジノはいらん」と強調した。

20:25

静岡 開票日にコロナ陽性、ビデオレターであいさつ

 参院静岡選挙区(改選数2)で無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=が落選の見込みとなった。

 山崎氏はこの日、新型コロナウイルスの抗原検査で陽性と判定され、静岡市駿河区の事務所には姿を見せなかった。代わりにビデオレターを通じて「私の力不足だ。申し訳ない」と敗戦の弁を述べた。

 昨秋の同選挙区補選に国民と立憲の推薦を得て県議から立候補し、初当選。だが、直後に「女性問題」を週刊誌に報じられた。

 議員活動は続行したが、立憲は今回は推薦を見送り。選挙直前、県内選出の衆院議員による女性にまつわる問題が報じられ、再び自身の問題がクローズアップされたことも響いたと見られる。

 ビデオレターが流れた後、山崎氏は報道陣の電話取材に応じ、週刊誌で報じられた「女性問題」が影響したかとの質問に「一つの要因になった」と答えた。

20:30

東京 再選の自民・朝日氏「スポーツ政策も大前提は平和」

 参院東京選挙区(改選数6)で、自民現職・朝日健太郎氏(46)の再選が確実になった。

 胸に喪章をつけて東京都渋谷区の事務所に姿を見せた朝日氏は、支援者を前に「この国のため、未来のためにしっかりと職責を果たしていく」と2期目の決意を語った。万歳はしなかった。

 熊本県出身でビーチバレーの元日本代表選手。2016年の熊本地震を契機に政治家を志した。

 選挙戦では、国土交通政務官として海上保安業務に携わった経験から、災害対策とともに国境警備の重要性を強調。「スポーツ政策も子育て政策も大前提は平和。国土と国民を守る。その覚悟を皆さんと共有したい」と訴えた。

20:30

立憲・蓮舫氏、全国的な苦戦に「党勢は非常に厳しい」

 立憲現職の蓮舫氏が高い知名度を生かし、4選を確実にした。蓮舫氏はあいさつの中で全国的な立憲の苦戦に触れ、「党勢は非常に厳しい。その中でも背中を押してくれた人たちのために頑張りたい」と語った。

 選挙期間中は他候補の応援のために全国を回った。3期にわたって行財政改革に力を入れてきた実績を強調。子育て世帯や若者への支援、急速に進む物価高への対策とともに、「税金の使い道を見直して、次世代のための財源を」と訴えた。

 2004年に初当選。10年、16年はいずれも100万票以上を獲得し、連続トップ当選を果たしていた。

20:35

自民・高市氏、力を入れるのは「安保・憲法・経済」

 自民党の高市早苗政調会長はNHKの番組で、与党で改選過半数を占める見通しとなったことについて「安定した政権運営ができ、公約を力強く推進していける状況になる」と述べた。今後力を入れる政策について「安全保障政策、憲法改正、そして経済政策。どうしても賃金を引き上げていきたい」と語った。

 選挙戦終盤の8日に殺害された安倍晋三元首相について「憲法改正、経済成長を仕上げ、日本の国を守り抜ける国防力の強化をしていくとの遺志を引き継いでいきたい」と強調。高市氏はこれに先立って出演した文化放送のラジオ番組で、「安倍氏の遺志は憲法改正であり、国を守れる国防力の強化であり、道半ばであったアベノミクス、経済成長だ」とも述べた。

20:40

立憲・蓮舫氏「現段階で政権交代というのはおこがましい」

 立憲民主党の蓮舫氏はフジテレビの番組で、立憲が各社の出口調査で改選議席に届かない見通しと報じられていることについて「現段階で政権交代というのはおこがましい」と述べ、同党は今回選挙で苦戦を強いられたとの認識を示した。

 32ある1人区で野党一本化が限られた今回の参院選については「コアとなる政策で(野党が)固まるということを我が党は見せられなかった。相当厳しく総括して、その上で新しい我々のコアというのを見せなければいけない」と述べた。

20:40

自民・茂木氏「安倍さんの遺志を我々が…」

 自民党の茂木敏充幹事長はテレビ東京の番組で、選挙期間中に安倍晋三元首相が銃撃され死亡したことを受け、「安倍さんの遺志を我々がしっかりと継いで日本を前に進めていかなきゃならない」と語った。

 また、同番組が行ったアンケートで、安倍氏の銃撃事件により、投票先を自民党に変えた人が13%いたとの結果について、茂木氏は「我々は、暴力には決して屈することはないという強い思いで最後まで戦い続けた」と強調。「13%の方が変えたということでありましたら、安倍さんの最後の声というのは、国民の皆さんにしっかり伝わったんだなと受け止めている」とも語った。

20:50

自民・石破氏「安倍さんに聞く機会、永遠に失われた」

 自民党の石破茂元幹事長はTBSの番組で、8日に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相について「安倍さんが本当にやりたかったことは何だったんだろう。それを聞く機会が永遠に失われたことはすごく残念だ」と語った。

 石破氏は第2次安倍政権では自民党幹事長や地方創生相を務めたが、その後は安倍氏と疎遠になった。2018年の党総裁選では安倍氏に一騎打ちを挑んだが敗北し、安全保障政策などでも意見の違いが目立った。石破氏は「いろいろ議論ができたことはすごく思い出深い。そういう機会が永遠に失われたことは極めて残念なことだ」とも語った。

21:00

共産・田村氏「軍拡を止めて、改憲に向かわせない」

 共産党の田村智子政策委員長は党本部で記者団の取材に応じ、「この選挙では『大軍拡でいいのか』ということを真正面から問いかけてきた。軍事費2倍の大軍拡を止めて、憲法改憲に向かわせないように、しっかりと日本共産党としての仕事をやり遂げていきたい」と語った。

 東京選挙区で立候補した現職の山添拓氏が当選確実と報じられたことについて「新しい方々が、ボランティアとして次々と宣伝行動に参加していただいた」と述べた。また、「比例5議席を目指しているので、何とか届くように見届けていきたい」と語った。

21:20

自民・茂木氏「憲法改正に前向きな政党間で、認識の共有を」

 自民党の茂木敏充幹事長はNHKの番組で、今後の憲法改正のスケジュールについて問われ、「できるだけ早いタイミングということに尽きる」と述べた。

 茂木氏は「憲法改正に前向きな政党の間で、どの項目を優先をするのか、どういったスケジュールで進めていくのか、認識の共有を図っていくことが重要だ」と指摘。憲法改正に前向きな日本維新の会や国民民主党とも協議を進めていく考えを示した。

21:25

公明・山口代表「大変喜ばしい結果だ」

 公明党の山口那津男代表は記者団の取材に応じ、開票状況について「順調な滑り出しだ。いまのところ与党で改選議席の過半数が当選確実だと見込まれている。参議院での安定的な議会運営につながると思うので、大変喜ばしい結果だ」と語った。

 憲法改正をめぐる議論の進め方については、「数合わせではなくて、どういう合意を目指すかということが大事。国民の理解を伴っていかなければ到底、発議には及ばない」と強調した。

21:25

立憲・西村幹事長「伸び悩んでいるが、最後まで見届けたい」

 立憲民主党の西村智奈美幹事長はNHKの番組で、現有議席を下回る情勢となっていることについて、「今回議席が伸び悩んでいるという状況だが、最後まで見届けたい。1議席でも多く獲得できるように見守りたい」と述べた。党勢の立て直しについては「結果を見ながら、今後の対応について考えていくことになる」と語った。

21:35

立憲・辻元氏「まず立憲を強くする」

 昨秋の衆院選で大阪10区で落選し、今回は参院選比例区から立候補した立憲民主党の辻元清美氏はテレビ朝日の番組で、当選確実となったことについて「全国の仲間ともつながりたいという思いで全国比例を選んだ。(国政に)戻ったら、まず立憲を強くすることに力を尽くさなあかんなって思っている」と述べた。

 政権交代を目指すのか問われると、「政権交代をするのは強い野党じゃないとできない。自分たちの立ち位置を鮮明にしないと政権交代はおぼつかない」と語った。

21:40

落選の立憲・森ゆうこ氏「申し訳なく、悔しい」

 4選をめざした立憲現職で、党参院幹事長の森ゆうこ氏が、参院新潟選挙区(改選数1)で落選の見込みとなった。

 森友学園問題の追及などで政府・与党への厳しい姿勢で知られるが、野党共闘が不発に終わった。

 森氏は新潟市内のホテルで、集まった支援者らに深々と頭を下げ、「各政党・団体から手厚く応援していただいた。勝って期待に応えたかった。申し訳なく、悔しい」と語った。

 改選数が1になった2016年以降、新潟選挙区では野党統一候補が自民に連勝してきたが、今回は森氏の脱原発の姿勢に対し、電力系労組が連合新潟の支援方針に反発。国民も共闘に加わらなかった。

 立憲の対応が連合寄りだとして共産、社民も不満を募らせ、足並みが乱れた。

21:45

自民党本部 黙とうの後に当選のバラの花

 東京・永田町の自民党本部に設けられた投開票センターに、同党総裁の岸田文雄首相や麻生太郎副総裁ら党幹部が登場し、8日に銃撃を受け殺害された安倍晋三元首相に黙禱(もくとう)を捧げた。

 その後、「当選確実」の候補者名が読み上げられると、岸田氏は候補者が書かれたボードにバラの花をつけていった。自民、公明両党で改選過半数を占めるのは確実な情勢だが、首相が笑顔を見せることはなく、多くの幹部は喪章を着用していた。

22:10

投票率は50%超える見通し、前回上回る

 今回の参院選の投票率(選挙区)は、朝日新聞社の推計(10日午後8時現在)で51・80%前後となった。戦後2番目の低さとなった前回2019年参院選の48・80%を3ポイント程度上回る見通しだ。

22:10

社民・福島党首「党の存在は非常に強まっている」

 社民党の福島瑞穂党首は記者会見で、今回の選挙戦について「戦争か平和か、憲法9条を持ち続けて平和国家として生き続けるのか、それとも世界第3位の軍事大国になって戦争をする国、戦争のできる国に一変させるのかが問われる選挙だと訴えてきた」と振り返った。

 福島氏はフジテレビの番組で「かつての自民党は、集団的自衛権の行使や敵基地攻撃能力の保有、防衛予算11兆円っていうのは言わなかった。憲法9条がありながら、どんどん政府見解すら変えていくなかで、社民党の存在は、非常に強まっている」と強調した。

22:05

岸田首相、物価高に「しっかりと対策を用意する」

 自民党総裁の岸田文雄首相はフジテレビの番組で、自民党が「大勝」との見通しについて「まだ途中ですので、最後までしっかり見極めたい」と述べるにとどめた。憲法改正については「推し進めていかなければならない。国会において大きな賛成の方々を頂くことは大変ありがたいが、中身においてぜひ(発議要件となる)3分の2の集約できまるよう努力していきたい」と語った。

 物価高対策については「しっかりと対策を用意する」と明言し、賃上げに引き続き取り組む姿勢を強調。「世界規模の物価高騰を背景とする価格の引き上げが起こっているわけですから、この(物価高対策と賃上げの)二つをセットで行うことが大事だ」とも述べた。

22:05

岸田首相、内閣改造は「タイミング、内容決めていない」

 岸田文雄首相はNHKの番組で、自民、公明両党で改選過半数を占める情勢について「大変ありがたい票の出方が示されていると受け止めている。大きな責任を感じて政治を進めていきたい」と述べた。一方、内閣改造や自民党役員人事の時期については「タイミング、内容については決めていない」と述べるにとどめた。

 岸田氏はまた、安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され、殺害された事件について「暴力によって民主主義の基盤である選挙のありようが問われている。選挙を完結できたことには大きな意味がある」と語った。

22:10

立憲・泉代表「立憲民主党の、ある意味の幅の狭さみたいなものが」

 立憲民主党の泉健太代表はフジテレビの番組で、改選議席数に届かない情勢について、「立憲民主党の、ある意味の幅の狭さみたいなものが、政権を任せるにはまだ至らない、あるいは自民党から乗り換えるには至らないというような判断を頂いたのではないか」と分析した。

 一方、日本維新の会に関連し、「(昨年の)総選挙直後から維新に支持率を上回られた。野党第1党といっても厳しい環境の中からスタートしたが、徐々に党勢を回復をして、野党第1党をもう一度、取り戻す戦いができた」と手応えも口にした。

22:10

国民・玉木氏、「閣内入りを目指すのか」と問われ…

 国民民主党の玉木雄一郎代表はインターネット番組「ニコニコ生放送」で、閣内入りを目指しているのか問われ、「閣内に入れる、入る、入らないは、いま政権を持っている自民党、公明党がどうするか(決めること)。こっちからどうこうって話もないし、岸田首相は自公連立でいくと言っている」と述べた。

 同党は政府予算に賛成するなど「与党寄り」の動きを強めている。「野党だからといって理想ばかり、反対ばかりしても駄目なので、得るべき成果は得ながら少しずつ前に進んでいくしかない」とも話した。

22:10

「改憲4党」が参院の3分の2超に

自民、公明、維新、国民の「改憲4党」の獲得議席が参院の「3分の2」を超える

22:15

岸田首相、憲法改正問われ「勇気を持って挑戦」

 岸田文雄首相はテレビ朝日の番組で憲法改正について問われ、「大きな課題について勇気を持って挑戦しなければいけない。その一つとして憲法、これも重大な課題だ」と述べた。「自民党が掲げている(憲法9条への自衛隊の明記など)4項目は、すべて現代的な喫緊の課題ばかりだ。それを中心に議論を進めていき、そして(衆参)3分の2の勢力に賛同いただける部分からしっかり提案を進めていく。発議を進めていく」とした。

22:45

山形 3選の国民・舟山氏「地域こそが主役という声が」

 山形選挙区(改選数1)では、国民民主現職の舟山康江氏(56)が自民新顔の大内理加氏(59)らを退け、3選を決めた。

 舟山氏は支援者を前に「中央ではなく地域こそが主役になるべきだという声が届いた」と語った。

 過去2回、共闘した野党側が勝利していた山形選挙区。今回は政府予算案に賛成した国民民主に共産が反発し、独自候補を擁立した。一方、一時は国民民主への配慮で擁立を見送り、舟山氏を推薦する動きすらあった自民も直前で大内氏擁立を決定し、計5人による争いとなっていた。

22:50

れいわ・山本代表 「野党の一番の弱点は経済政策」

 れいわ新選組の山本太郎代表は日本テレビの番組で、同党が掲げる消費税廃止などについて「現実味がないことは全くない。これをやるためにはやはり政権交代が必要。そのためには強い野党をつくる必要がある」と述べた。山本氏は「野党の一番の弱点が経済政策だということに気づくことが必要。大胆な政策を野党として打ち出していく必要がある」と訴えた。

 TBSの番組では、野党が再結集する必要性を強調。「先進国で唯一、30年間不況が続く国は日本だけ。これは当然、政治の失敗だ。『経済は自民党だ』と思っている人が多いが、経済政策の失敗や労働環境の破壊は、大企業や資本家に対して皆から収奪したものを横流しするような政治が跋扈(ばっこ)した結果だ」と自民党を批判した。

23:00

公明・山口代表、防衛費で「国債発行は原則として避けるべき」

 公明党の山口那津男代表は日本テレビの番組で、防衛予算の増額に充てる財源について、「国債発行は原則として避けるべきだ。税収を元に、(予算)振り分けの中で防衛費を確保していくことが基本になる」と語った。

 自民党内には国債発行で賄うべきだとの意見があるが、これを牽制(けんせい)した格好だ。防衛装備品は高額のため、数年にわたる「分割払い」になることが多いが、山口氏はこれを「特殊な構造にある」と指摘。「防衛費が硬直的な財政に今でもなっているので、この点は注意深くみていく必要がある」と語った。

23:00

東京 乙武氏、落選の報に「マイノリティーの思いはまだ届かない」

 参院東京選挙区(改選数6)で、無所属新顔の乙武洋匡氏(46)が落選の見込みとなった。

 乙武氏は支援者が集まる東京都渋谷区のビルで、落選の情報が伝わると「悔いはない。すがすがしい気持ち」と笑顔を見せた。一方で、「マイノリティーの我々の思いはまだ届かない」とも語った。

 生まれつき両手足がほとんどない。今回の参院選では「誰も諦めなくていい社会」を掲げ、障害者や同性愛者、貧困家庭などに寄り添った子育てや教育政策を訴えた。

 「働く世代」への支持拡大も目指し、携帯電話・電気料金を1年間無償化するなどの追加政策も、6日に打ち出した。

 安倍晋三元首相の銃撃事件を受け、選挙戦最終日には「暴力は許さない」という抗議から、車いすを降りて渋谷から国会議事堂まで約12時間かけて支援者らと「大行進」し、ネット上で配信したが及ばなかった。

23:00

岸田首相、LGBT差別冊子の配布問題に言及

 岸田文雄首相は、TBSラジオの番組で、6月に自民党の国会議員が参加した会合で性的マイノリティー(LGBTなど)に差別的な内容が書かれた冊子が配られたことについて、「公の団体として、誤解を招くような不適切なことが発信されるということは、関係者に適切な対応を求めていかなければいけない問題だ」と語った。

 冊子は東京都内のホテルで開かれた「神道政治連盟国会議員懇談会」で配布。「同性愛は先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症」などと記されていた。岸田氏は「LGBTや同性婚については多様な生き方を尊重する、そうした社会は大事にしていかなければならないと思う」と語る一方、「同性婚についてはまだ様々な意見があり、議論を深めなければならない課題だ」とも述べた。

23:10

岩手 昨秋の小沢一郎氏に続き…元秘書も敗れる

 岩手選挙区(改選数1)では、立憲現職の木戸口英司氏(58)が自民候補に敗れ、再選できない見込みが伝えられた。

 木戸口氏は、新型コロナウイルス感染の疑いがあるとして姿を現さなかった。代読されたコメントで、「多くの県民の皆様にお支えをいただきながら、期待に応えることができず、心からおわび申し上げます」とした。

 小沢一郎衆院議員や達増拓也知事の秘書を経て、6年前に野党統一候補として初当選。今回は知事の後援会を通じて、共産や社民の県連組織から支援を受け、事実上の「野党共闘」を維持して選挙戦に臨んだ。しかし、昨秋の衆院選で、岩手3区から17回連続当選していた小沢氏が自民候補に敗れた。その勢いに押され、今回、自民の公認候補として30年ぶりになる勝利を許した。

23:15

国民・玉木代表「若い人から支持をいただいた」

 国民民主党の玉木雄一郎代表はNHKの番組で、今回の選挙戦について「全国を回ると若い人から支持をいただいた」と振り返った。演説会場では大学生や大学院生の姿が目立ったとして「奨学金の返済の不安、あるいは(奨学金が)返せる給料がもらえる職に就けるかどうなのか。本当にたくさんの声をいただいた」と述べた。その上で「政策実現のためには与野党を超えて連携協力していく。この路線を継続していきたい」と強調した。

23:20

公明・山口代表、憲法改正は「一致しているわけではない」

 公明党の山口那津男代表はフジテレビの番組で、憲法改正をめぐる自民、公明両党の姿勢について「一致しているわけでは必ずしもない」と認めた。そのうえで「党首討論をやっても他の党ともかなりバラバラ感が感じられた。衆参の憲法審査会でしっかり議論を深めて、合意形成できる余地を見いだしていくという努力が重要だ」とした。

23:30

立憲・福山氏「この国の野党全体としては厳しい結果」

 京都選挙区(改選数2)では、立憲現職で前幹事長の福山哲郎氏(60)が当選を決めた。あいさつで「この国の野党全体としては厳しい結果ですが、野党をぶれない、強い、自民党に対抗しうるものにするために汗をかきたい」と述べた。

 これまで自民、旧民主系、共産が争ってきた選挙区だが、今回、維新新顔が立候補したことで、全国有数の注目区に。旧民主時代に福山氏と活動を共にした国民民主の前原誠司選対委員長(衆院京都2区)が、野党共闘を模索する立憲の政治姿勢に反発した。国民は維新候補を推薦し、旧民主系支持層の票を取り合う激しい選挙戦となった。

 福山氏は「相手は維新の候補だと思っていました。京都のことは京都で決めよう。その一言に凝縮されている。あとは府民の皆さんに真摯(しんし)に訴えるだけだった。厳しい選挙だった」と語った。

23:30

東京 元アイドルの自民・生稲氏、初当選に「提案してきた施策を広める」

 東京選挙区(改選数6)で、自民新顔の生稲晃子氏が初の政界挑戦で当選を確実にした。

 生稲氏は当選確実の情報が流れた直後の午後11時半すぎ、都内の事務所に姿を見せた。万歳はせず、拍手で喜びを分かち合った。

 支持者らを前に涙を浮かべ、「ほっとしている。感謝の気持ちでいっぱいです。安倍先生も当選できてほっとして下さっていると思う。提案してきた施策を広めていきたい」と語った。

 人気グループ「おニャン子クラブ」の元メンバー。42歳で乳がんを発症し、2度の再発と5回の手術を経験しながら子育てをしたことを踏まえ、治療と仕事を両立できる施策をつくると主張した。

■■■ 7月11日 ■■■

00:05

32ある「1人区」の勝敗が全て判明

 全国で32ある改選数1の「1人区」の勝敗が全て判明し、自民党は28勝4敗だった。野党は過去2回の参院選で1人区すべてに「統一候補」を擁立。2016年参院選では11勝、19年参院選で10勝と一定の成果を上げた。しかし、今回の参院選で一本化できたのは11選挙区にとどまっていた。

00:05

東京 維新新顔が落選、吉村府知事らの応援実らず

 東京選挙区(改選数6)では、維新新顔の海老沢由紀氏の落選が確実になった。都内の事務所で支援者から拍手で迎えられた海老沢氏は、「力不足で申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げて、「一票を託していただいた有権者のご期待に沿うことができなかった」と述べた。

 4児の母親で、所得に左右されない教育の必要性や、出産費用の無償化などを訴えた。知名度を上げるため、維新の比例候補で、元都知事の猪瀬直樹氏らと街頭に立った。党副代表の吉村洋文・大阪府知事ら党幹部も応援に駆けつけた。

 大阪生まれで、20代のころはプロスノーボーダーとして活躍。2019年の大阪市議選で初当選し、今回、市議を辞職して参院選に臨んだ。

00:10

東京 ファーストの会・荒木氏 「議席に遠く及ばず」

 東京選挙区(改選数6)では、ファーストの会新顔の荒木千陽氏の落選が確実となった。

 荒木氏は11日午前0時過ぎ、東京都中野区の事務所で20人ほどの陣営幹部や支援者らを前に、「議席に遠く及ばず結果を残せなかったこと、心からおわびを申し上げます。これからも引き続き、都民のための政治、国民のための政治に、あらゆる場面で尽くしていきたいと思います」と述べた。

 衆院議員だった小池百合子・現東京都知事の秘書を経て、2017年に都議に初当選。地域政党「都民ファーストの会」代表として、小池都政を支えた。

 選挙戦では「待機児童を96%減少させた」などと都議時代の実績を強調。小池氏も10回以上応援に入り、「私の長年の相棒を国政へ送ってほしい」と呼びかけた。

00:30

れいわ・山本代表が当選「めざすべきは政権交代」

 参院東京選挙区(改選数6)で、れいわ前職の山本太郎氏が当選を確実にした。

 衆院議員を辞職して「くら替え」となった選挙。山本氏は当選確実との情報を受け、「めざすべきは政権交代。経済政策に強い野党をつくらなければいけない」と語った。

 この日は党代表としてのテレビ中継をこなす傍ら、党のYouTubeチャンネルにも出演。消費税廃止や、大学院までの教育費無償化などの政策をアピールした。

00:35

沖縄 「オール沖縄」支援の伊波氏が勝利

 沖縄選挙区(改選数1)は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城デニー知事ら「オール沖縄」が支援した無所属現職の伊波洋一氏(70)が、自民新顔の古謝玄太氏(38)らを破り、再選を決めた。9月投開票の知事選に向け、2期目を目指す玉城氏側が弾みをつけた。

 伊波氏は「平和な島に向けてデニー県政と歩んでいきたい」と語った。選挙戦で古謝氏は「移設容認」を明言。岸田文雄首相が沖縄で街頭演説し、自民党幹部も連日駆けつけたが、届かなかった。

00:50

社民が議席守る

 社民党が議席獲得を確実にした。旧社会党に源流を持つが、党所属の国会議員は衆院議員1人と、今回5選をめざした福島瑞穂党首のみ。公職選挙法で国政政党と認められるには、5人以上の国会議員がいるか、直近の衆院選か参院選で有効投票の2%以上を得る必要がある。社民党は昨年の衆院選で2%を割っており、今回2%以上とれるかに国政政党としての存立がかかっている。

01:25

全選挙区75議席の勝敗判明

 「合併選挙」で行う神奈川選挙区の補欠選挙も含め、全ての選挙区(75議席)の勝敗が判明した。自民党は45議席、立憲民主党は10議席、日本維新の会は4議席だった。全国で32ある1人区では自民党が28勝した。野党は過去2回の参院選で実施した1人区での候補者一本化が11選挙区にとどまっていた。

01:30

NHK党が比例区で議席獲得

 NHK党が比例区で議席獲得を確実にした。全国に13ある複数人区で、東京以外の選挙区で改選数と同数の公認候補を立てた。1議席だった19年参院選に続く議席の獲得となった。

01:45

北海道 3選の立憲・徳永氏「苦しかった」

 北海道選挙区(改選数3)では、立憲現職の徳永エリ氏(60)が、知名度を生かして3選を果たした。

 当選確実が伝えられると、事務所で支援者から歓声が上がった。事務所に現れた徳永氏は「最初から本当に苦しい選挙。お支えをいただきながら、苦しかったですけれども、ずっと笑顔で戦い抜けました」と述べた。

 テレビリポーターなどを経て2010年に初当選。ただ、3度目にして、かつてない「危機感」を持って臨んだ選挙だった。

 6年前、徳永氏のみを支援した連合北海道は今回、徳永氏と国民新顔の2人を推薦し、労組の組織票が割れることになった。今回は立憲の党勢にも陰りが出ていた。

 徳永氏は早くから、無党派層への浸透も意識して街頭やSNSでの発信を増やした。連合幹部も傘下の産別や地方組織を回り、最後まで票固めを徹底。街頭では「女性の議席を守らせてほしい」と強調した。

01:50

北海道 落選の立憲・石川氏「大接戦演じられた」

 北海道選挙区(改選数3)では、立憲新顔の石川知裕氏(49)の落選が確実となった。

 石川氏は事務所で「9年ぶりの国政復帰をかけて全身全霊をかけて戦った。風は確実に吹いてはいたが、議席に届かなかったのは、ひとえに私の力不足だ」と支援者らに頭を下げた。「大きな組織の支援がないなかで、これだけの大接戦を演じることができた」と手応えも語り、今後については「白紙」とした。

 2007年から3期、衆院議員を務めたが、小沢一郎衆院議員の秘書だった時の政治資金規正法違反事件で10年に逮捕され、13年に議員辞職。有罪判決を受け公民権が停止され、17年衆院選は代わりに妻の香織氏が出て当選した。19年は道知事選に野党統一候補として挑戦したが、敗れた。

 一時は政治家を続けるのを諦めかけたが、地元・十勝地方の支援者に支えられ、「政治家は天職」と活動を続けた。昨年、不出馬を決めた鉢呂吉雄参院議員から後継指名され、再び国政に挑戦した。

02:40

社民・福島氏「政党要件クリア、見守りたい」

 当選確実となった社民党の福島瑞穂党首が記者会見し、「憲法が変わるような時代に福島瑞穂が国会に必要だということを、あちこちで訴えてきた。実現して本当に良かった」と述べた。

 一方、比例で2%以上の得票が無ければ公職選挙法上の政党要件を失うため、福島氏は今回の参院選を「国政政党としての存立をかけた戦い」と位置づけていた。この時点では、その結果は明らかになっておらず、「とにかく社民党が政党要件クリアできるように本当に見守りたい」と語った。

5:00

維新が改選議席倍増

 日本維新の会が12議席の獲得を確実にした。今回の改選議席の6議席から倍増。非改選の9議席と合わせて21議席となる。

5:00

維新が野党の比例第1党に

 日本維新の会が比例区(50議席)で、8議席を獲得した。この結果、立憲民主党を上回り、比例区で野党第1党になった。今回の参院選では、立憲と維新のどちらが比例区で第1党を取るかが注目されていた。

7:25

政党別獲得議席数確定

 125議席を争った参院選の政党別の獲得議席数が確定した。

 自民63議席、立憲17議席、公明13議席、維新12議席、国民5議席、共産4議席、れいわ3議席、社民とN党と参政党はそれぞれ1議席だった。

 うち比例区(50議席)は自民18議席、維新8議席、立憲7議席、公明6議席、共産と国民はともに3議席、れいわ2議席、社民とN党と参政党はそれぞれ1議席だった…

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