第1回繁栄のみ込んだ火砕流、眠りからさめた「死都」 新発見続くポンペイ

有料記事ポンペイ よみがえる死都

ポンペイ=大室一也
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 城壁の中へと足を踏み入れる。石畳の目抜き通りが東西と南北に走り、路地が縦横に張り巡らされている。多くの住居や飲食店、宿屋や劇場までもそろった「都市」が広がるが、辺りは静寂に包まれていた。

 イタリア南部の火山ベズビオ山(1281メートル)から約10キロ。南麓(なんろく)の都市ポンペイはしばしば「死都」と呼ばれてきた。広大な遺跡の森閑としたたたずまいや、都市が一瞬にして壊滅した悲劇的な運命などからだろう。

連載「ポンペイ よみがえる死都」

 古代ローマ時代に火山の噴火で埋没した南イタリアの都市遺跡ポンペイで近年、新たな発見が相次いでいます。特別展「ポンペイ」(朝日新聞社など主催)の国内巡回を機に、現地を訪ねました。記事の最後で、遺跡を撮影した動画もご覧になれます。

 紀元79年、ベズビオ山が大噴火するとポンペイに火山灰や軽石が降り注ぎ、火砕流が一気に街をのみ込んだ。

 長く土中に埋もれていたが、18世紀半ばに本格的な発掘が始まり、多くの大邸宅や商店、飲食店、円形劇場などを備えた古代都市が、色鮮やかな壁画とともに姿を現した。

写真・図版

 現在では、世界で最も有名な古代ローマ遺跡の一つとしての評価が定着し、ユネスコ世界文化遺産にも登録されている。しかし、全体の3分の1はまだ発掘されていない。遺跡管理当局の案内で、現在発掘が進む現場に足を運んだ。

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