羽生結弦、9歳で「負けず嫌いの心に火」 原点作った恩師たちの記憶
初めてスケート靴を履いた4歳の少年は、迷いなく、リンクへと駆けだした。
「危ない!」
仙台市のスケート教室で、羽生結弦を最初に指導した山田真実さん(48)はヒヤリとした感覚を今でも鮮明に覚えている。
「普通、初めての子はハイハイの姿勢になって、氷に慣れさせてからゆっくり立つのが基本なんです。ただ、彼をそれをぶっ飛ばしてリンクインしました。そのままリンク中央まで走って、バランスを崩して転んで頭を打ったんです」
山田さんはあわてて、駆け寄り、「大丈夫?」と声をかけた。
「そうしたらすらっと立ち上がったんです。普通じゃない。その時点で、すごいなと思いました」
当時、羽生の四つ上の姉を山田さんは指導していた。リンクサイドを駆け回る羽生を見て、「そんなに動きたいんだったらスケート教室に入ってみたら」と声をかけたのが始まりだった。
山田さんにとって、当時の羽生の印象は一言で言えば、「やんちゃ」だった。
「走り回っちゃうから、とに…
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