羽生結弦の革命前夜 「金は俺が取る」16歳は五輪連覇を予言した
坂上武司
2011年9月、ホテルメトロポリタン仙台のカフェ。16歳だった少年、羽生結弦にインタビューした時のことを思い起こす。その1年前、15歳の時にインタビューしてから、ぐっと精悍(せいかん)な顔つきになっていた。
まだ世界選手権にも出ていない。「革命前夜」。表現するとしたら、そんな季節である。
「理想の選手はいない。俺は俺でありたいですし、俺自身は『羽生結弦』として最終的に上に立ちたい」
その頃から、地底に潜むマグマのようにエネルギーがフツフツと満ちているのを感じた。
10年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔のようになりたい――。日本男子のほとんどの選手がそう言っていた時代である。
「プルシェンコとかウィアー…
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