阿武隈急行が全線再開 3月の福島県沖地震から3カ月
荒海謙一
3月の地震で被災した阿武隈急行(本社・伊達市)が27日、全線再開した。不通となっていた福島―保原間(12・8キロ)の復旧が進み、地震から3カ月余を経て福島駅から槻木駅(宮城県柴田町)までの全線54・9キロがつながった。
福島―保原間の福島学院前駅(福島市)では午前7時32分、福島学院大の学生や復旧工事にあたった事業所の社員ら約30人が「祝 阿武急運転再開」などの横断幕を手に梁川行きの下り列車を出迎え、ホームからは拍手も起きた。
伊達市梁川町から福島学院大に通う1年生の奥山耀大(ようた)さん(18)は入学時から不通だったため、家族に車で送ってもらうこともあったという。「時間を気にしていたから不便だった。阿武隈急行のありがたさを感じます」と笑顔を見せた。
復旧工事を担当した仙建工業の狩野安則・福島支店長(66)は「朝の学生たちの顔を見てホッとした。工事に関係したみんなも喜んでいる」と話した。
阿武隈急行は3月16日の福島県沖地震で全線が不通になった。運行は宮城県側から段階的に再開したが、被害が大きかった福島―保原間の不通が続いていた。同区間は7月3日まで日中(午前9時半~午後2時半)を除いた臨時ダイヤでの運行になる。