子どもの権利は義務とセット? 教員に尋ねた結果は 国際NGO調査

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杉原里美
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 子どもは義務や責任を果たすことで、権利を行使できる――。子どもの権利について、教員の約3割がそんな誤解をしていることが、国際NGOのアンケートで分かった。日本も批准する子どもの権利条約に基づく認識を尋ねる意図だったが、条約は子どもの義務や責任を定めていない。

 調査したのは、公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」。子どもの権利教育に関する教材づくりの参考にしようと、今年3月、民間のインターネット調査会社を通じて、全国の小中高校などの教員468人から回答を得た。

 冒頭で「子どもの権利を知っていますか」と漠然と尋ねたところ、「内容までよく知っている」と答えたのは21・6%だったが、「内容について少し知っている」を含めると、7割が「知っている」と認識していた。

 次に、「子どもの権利として…

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年7月4日20時35分 投稿
    【視点】

    「子どもの権利条約は校門の前を通り過ぎてゆく」。ある養護教諭が取材の時、話してくれた言葉です。「先生たちは、子どもの権利を尊重していると思っているけれど、それはあくまで義務を果たすのが前提」とも。今回の調査結果は、その言葉とぴったり合います

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    太田泉生
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権)
    2022年7月5日19時25分 投稿
    【解説】

    神奈川県内では最近、「子どもの権利条例」を制定する動きが続きました。今年3月時点で、川崎、相模原、鎌倉、横須賀の各市が条例を作っています。 川崎市が子どもの権利条約の精神を生かした条例を作ったのは2000年のことで、全国初でした。条例

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