1979年に男性が変死体で見つかった「大崎事件」で、鹿児島地裁は22日午前、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(95)の第4次再審請求の棄却を決定した。
「私はもう裁判所というところを信用できない」。弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士(59)は報道陣を前にこう憤った。「何のために裁判所は存在し、再審制度があるのか」「最高裁に忖度(そんたく)している。最高裁が下級裁判所に与える影響の大きさを感じた」
この日またも希望が打ち砕かれ、険しい表情を浮かべていた、そんな鴨志田さんのもとに突然、1件のLINEのメッセージが届いた。目を通した途端、鴨志田さんは思わず泣きそうになった。
大崎事件の発生から43年弱。一度も自白をしていない原口アヤ子さん(95)の無実の罪を晴らそうと奔走する弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士(59)は40歳で司法試験に合格した遅咲きの弁護士です。原口さんも鴨志田さんも何度も希望を打ち砕かれ、倒されても、そのたびに立ち上がってきました。第4次再審請求は22日に鹿児島地裁で棄却されましたが、今回も同じくすでに前を向いています。記事の後半では、ふたりの出会いからひもときます。
「母ちゃん、ふざけた世の中でもあなたの正義は否定されない。俺も父ちゃんもついているから大丈夫だ」。長男(30)から、「闘う母」へのエールだった。夫は、どう思っているだろうか。
■一度あきらめた司法試験に4…
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- 【視点】
「私たちは何人の裁判官に裏切られればいいのか。それでも、私たちは裁判官を信じるしかない」。湖東記念病院事件で再審無罪となった冤罪被害者の西山美香さん(42)が、22日、大崎事件の再審請求棄却決定を受けて鹿児島市で開かれた弁護団の記者会見で
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