第7回妊娠報告に「ずっと休んで」 金子恵美さんが語る国会のハラスメント

有料記事問われる民意2022

聞き手・東郷隆
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 「セクハラ」や「女性蔑視だ」と批判を浴びる政治家の言動がやみません。22日からの参院選に立候補する知事経験者の男性が街頭演説中に女性の体に触って批判されたり、立候補予定の女性の横で男性国会議員が「顔で選んでくれれば一番を取るのは決まっている」と紹介したり。政界って感度が鈍いのでしょうか? 衆院議員を2012~17年に2期務めた金子恵美さん(44)に聞きました。

 ――在職中にセクハラなどの被害に遭いましたか?

 冷静に振り返るといくつも思い出されます。たとえば、あるベテラン国会議員の男性は、「送っていくよ」とタクシーに同乗し、その中で「かわいいねえ」と頰をなでてきました。

 選挙の応援に駆けつけてくれた別のベテラン国会議員は、車の後ろの席に2人で座っていたとき、急に手を握ってきて「僕がいるから大丈夫だよ。安心して」と。嫌悪感を感じましたが、初の国政選挙のタイミングでもあり何も言えませんでした。

――想像以上です……。任期中に結婚・妊娠・出産を経験されました。なにかいやな思いをされたことはありますか?

 国会では、予算委員会に所属していました。妊娠を報告し、「復帰後も同じ委員会を続けたい」と党幹部に言うと、「ずっと休んでてもらっていいから」と言われました。国会運営上のことでもあり、私の希望は通らないのかもしれませんが、その返答には傷つきました。

 一般企業でも、出産による「キャリアの断絶」が問題になっていますが、永田町でも少なからず存在することを痛感しました。

 さらに、地元の議員に妊娠を報告すると「次の選挙厳しくなるなあ。3千票は減るなあ」と。女性議員をアイドルのようにたとえられたこともありました。

 ほかにも、「出産のタイミングも分からない議員を地元から出して申し訳ありません」と有権者の前で発言した議員もいました。

 一方で理解をきちんと示してくれた方々も多くいらしたので、逆にこのような声は目立ちました。

かつて新潟選出の衆議院議員として活動した金子恵美さんに、国会のセクハラ、マタハラ事情を聞きました。「女性がいること忘れてません?」と言いたくなるような発言が相次ぐ世界。変えていくには……話題は選挙制度にまで広がります。

――お子さんが生まれてからはどうでしたか?

 地方議員のときは独身だったので、夜は会合を3件、4件と回っていました。でも子どもが出来てからは、時間的にも物理的にも余裕がなくなり、セーブしました。

 すると、一部の支援者から…

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