廃線跡めぐって集めよう 琴平へのかつての2電鉄 スタンプラリー
金刀比羅宮(香川県琴平町)への参詣(さんけい)客らを乗せて大正から昭和にかけて運行された、琴平参宮電鉄と琴平急行電鉄の廃線跡を訪ねるデジタルスタンプラリーを、丸亀市観光協会が実施している。
琴平参宮電鉄は坂出―丸亀―善通寺―琴平間と多度津―善通寺間(総延長26・6キロ)で1928年に全線開業したが、63年に廃止。30年に坂出―琴平間(15・7キロ)で開業した琴平急行電鉄は、太平洋戦争激化に伴う「不要不急路線」として44年に休止され、再開されることなく戦後に廃止となった。
スタンプラリーは観光協会の西宇絵理さんが考案。きっかけは昨夏、小学3年だった長男の自由研究で、両電鉄の橋台や駅、トンネルの跡など延べ14カ所を巡ったこと。「息子が鉄道好きで、家族で廃線跡を回った。遺構を見つけるのが楽しく、これを観光に生かしたくなった」
スタンプラリーへの参加は、スマートフォンに観光ツアーガイドアプリ「SpotTour」のダウンロード(無料)が必要。両電鉄のいずれかのコースを選び、それぞれ12~13カ所の遺構を巡る。半径30メートル以内に近づくと、自動的にデジタルスタンプが押されるが、大半の遺構は案内板がなく、アプリの地図と写真を手がかりに探すという。
アプリ掲載のため、文献などを参考に遺構を回って写真撮影した西宇さんは、「現在もあるJR、ことでんと合わせて、琴平へ4社もの鉄道が乗り入れていた歴史を多くの人に知ってもらいたい」と話す。
9月30日まで。スタンプを10個以上集め、JR丸亀駅の観光案内所でスマホを示せば、両電鉄について学べる子ども向けのワークシートをプレゼントする(数量限定)。問い合わせは丸亀市観光協会(0877・85・5852)。