第2回「映えればいい」は見透かされる 政治と若者「負の循環」変えるには
若者の投票率が低いと嘆く大人たち。政治への期待も関心も抱けない若者。選挙のたびに繰り返される、この不幸な「すれ違い」の連鎖を、どうしたら改善できますか。毎月200人のZ世代の若者に接するという、若者に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(ラボ)」所長の長田麻衣さん(30)に助言を求めました。
おさだ・まい 総合マーケティング会社勤務を経て、2017年にSHIBUYA109エンタテイメントに入社。同社内に18年、若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。毎月200人の15~24歳の男女と接している。
――少子高齢化で人口に占める「若者」の割合が相対的に少ない時代なのは、政治にとっても、企業にとっても同じです。企業は若者をどう見ているのですか。
「Z世代という言葉がはやるようになり、ここ2年ほど企業からの問い合わせがとても増えています。お金をたくさん使うのは、いまも昔も30~40代であり、ファミリー層ですが、Z世代がその層になるころには、これまでの世代とは全く異なる消費行動になるかもしれない。SNSの使い方にたけている世代には、今までのようにばんばん広告を打つよりも一般の人の口コミのほうがモノが売れる。消費の流れが変わってきていることを企業は、実感しているからです」
「彼らがメインの購買層になる前に早期に接点を持っておこうと多くの企業が考えています。また、そういった若い世代のトレンドは上の世代の行動も変えるため、最先端である若い人たちを研究しているのです」
「ああ2年前の、やっちゃってるな」感
――そうやって若者を持ち上げつつ、消費者としての若者を見くびっている面もありませんか。
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- 【視点】
長田さんの「投票に関しては、『どこの政党や候補者に入れたかを周りに言ってはいけない』と教えられています。投票からコミュニケーションが生まれないので、投票への動機が乏しい」という指摘に、うーん、と考えさせられました。 相手に自分の考えを
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