智頭急行と若桜鉄道、2年連続の赤字 コロナ禍の影響受ける
鳥取県東部にある智頭急行と若桜鉄道が相次いで株主総会を開き、昨年度の営業状況を報告した。長引くコロナ禍で、両社とも2年連続の赤字となった。
智頭急行(兵庫県・上郡―智頭駅、約56キロ)の総会は16日に鳥取市のホテルであった。事業報告によると、21年度の輸送人員は約56万5千人。前年度から約10%増えたが、コロナの影響が限定的だった前々年度のほぼ半分にとどまった。
このうちスーパーはくとなど特急が約37万9千人。前年度比約20%増だが、前々年度の45%程度。コロナのまん延防止等重点措置の適用地域拡大や、県境をまたぐ移動の自粛要請の影響を受けた。普通は約18万6千人。コロナ禍などで前年度比10%近く、前々年度比では30%以上少ない。
営業収益は前年度比約6%減の約18億円。修繕費や運行経費の減少で営業費用も減ったが、営業損益は約4億2千万円の赤字に。国や沿線自治体の補助金などがあったが、純損益も約9600万円の赤字となった。
若桜鉄道(若桜―郡家駅、約19キロ)の総会は10日に八頭町役場であった。営業報告によると、21年度の輸送人員は前年度比3%増の約37万8千人。観光客が含まれる普通旅客が3%減の約7万1千人、通勤旅客が5%減の約4万人だったが、通学旅客が7%増の約26万7千人となった。公的助成のある通学定期券を利用して鳥取市方面から八頭高校に通う生徒が増えていることなどがその要因。
営業収益は約2億5700万円で、人件費や修繕費を引くと損益は約2560万円の赤字に。最終的な赤字額は約350万円で、前年度から約100万円増えた。旅客収入がコロナ禍前に戻っていないこと、燃料費高騰などが原因という…