中国は最大貿易国、だが「借り」はない インドネシア国軍司令官語る

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聞き手・シンガポール=半田尚子
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 シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)に出席したインドネシア国軍のアンディカ・プルカサ司令官(57)が10日、朝日新聞の取材に応じた。南シナ海の海洋権益をめぐって対立する中国はインドネシアの最大の貿易相手国だが、経済的な結びつきは「借り」ではないとし、主権を守ることは分けて考えるべきだとの認識を示した。

 ――南シナ海には、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)と中国が権益を主張する海域が重なる部分があります。この海域に姿を現す中国船は年々、増えていますが、中国との間の緊張状態は高まっているのでしょうか?

 (中国との)領有権の問題は消えることはありません。インドネシア国軍も中国軍も、重複する主張をより統制のとれた形で解決するためにお互いに敬意を払い、最善を尽くしています。怒りに火をつけることなく、論争を巻き起こすこともなく解決に至ることが私たちの願いです。

 ――南シナ海の南端にあるインドネシアのナトゥナ諸島では、空軍機が離着陸できるように空港の滑走路の延伸や新たな海軍基地の建設計画もあります。

 2015年ごろから私たちは、ナトゥナ諸島に(基地や戦闘機などの)軍事資産の移設を始めました。物事をより円滑に進め、備えるためです。妨げになる要素はありません。万が一の事態に備えて必要なネットワークや軍事資産を構築しておく必要があります。

 ――ロシアのウクライナ侵攻をどのように見ていますか?

 このような状況を見るのはと…

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