体育・部活・登下校時は「マスクを外す指導を」 文科省が全国に通知

桑原紀彦
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 熱中症による児童生徒の救急搬送が相次ぐ事態を踏まえ、文部科学省は10日、体育と運動部活動、登下校時についてはマスクを外す指導をするよう全国の教育委員会などに改めて通知した。熱中症は「命に関わる重大な問題」とし、保護者らに理解と協力を求めるよう学校に促した。

 文科省は5月下旬にも、体育や部活中のマスクは不要と通知していたが、6月に入り大阪市兵庫県尼崎市神戸市で複数の児童生徒が体育などの最中に熱中症で搬送される事態が続発。マスクをしていた子どもも多く、外す指導をしていない学校もあった。

 文科省の担当者は「現場の熱中症に対する認識が甘かったのと、子どもに着脱の判断を委ねたのとで、外さなかったのでは」とみる。今回の通知では熱中症対策を優先し、マスクを外す指導をするよう求めた。その上で距離を空け、会話を控える指導も促した。

 末松信介文科相は10日の記者会見で「熱中症は即、命を落としかねない。体育の授業や登下校中はマスクを外すべし、というのが文科省の考えだ」と強調した。

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年6月10日17時37分 投稿
    【視点】

    文脈的に、いろいろモヤモヤするニュース。 まず、現実問題として生徒たちがマスクをしている状況で体育をしているなら、マスクが悪いのではなくて、運動量を落とすなどの配慮が足りなかったことが問題と捉えるべきでは? これらの事象をもとにして「

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年6月11日8時48分 投稿
    【視点】

     マスクを外せない、外したくない子どもたちもいることを忘れないで欲しい。  例えば、いま、小学1年生の子どもたちは、ものごころついた時から、マスクをするよう言われて続けて育ってきた。人が行き交う場、集団生活の場、外で遊ぶ時でさえマスクをあ

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