第16回20代から二度起業 令和トラベル篠塚社長に聞く「多様性」「若者」

有料記事働く20代のモヤモヤ WLBと言われても

聞き手・高橋豪

 デジタル技術を生かして海外旅行事業を展開する「令和トラベル」。社長の篠塚孝哉さん(38)は昨年、コロナ禍に苦しむ海外旅行業界に参入し、需要回復を見据えて準備を続けています。20代の時から2度起業した篠塚さんに、行動力の源泉や大切にしている「多様性」への思い、そして一歩踏み出せずにいる若者へのメッセージを聞きました。

しのづか・たかや

1984年生まれ。東洋大卒後、米留学を経て2007年にリクルート入社。「じゃらん」の営業担当を務め、11年に「Loco Partners(ロコパートナーズ)」を創業し、13年から宿泊予約サービス「Relux」を始める。17年、KDDIグループに入り、経営参画。サイトの会員数を250万人以上に増やし、20年に社長を退任した。21年4月、「あたらしい旅行を、デザインする。」を掲げ、令和トラベルを創業。22年4月には「操作が簡単でお得」を追い求めた海外旅行予約アプリ「NEWT(ニュート)」をリリースした。著書に「シノ社長の経営塾」などがある。

――最初の起業は会社員を経てからでした。どんな動機だったのでしょうか。

 リクルートでは旅行予約サイト「じゃらん」の営業などをしていましたが、27歳の時、11年の東日本大震災がきっかけで起業を決意しました。

 担当していた東北の被災地の宿泊施設の人から、苦しいとかつらいとか電話をいただきました。天変地異で事業だけでなく人生まで変わってしまった方々のお話をうかがい、自分ができることをがむしゃらに模索しました。

 そんな交流の中で気付いたのは、自分はまだ何も挑戦していないなということ。挑戦もしないで、もし被災して命を落としていたら、後悔しただろうなと強く感じました。

 当時は自分なりに充実した生活を送っていたつもりでしたが、この時、強い恐怖感に襲われました。貯金は400万~500万円しかありませんでしたが、その半分を使って思い切って起業しました。だめだったら、起業センスなしと諦めてやめようと思っていました。

――より自由を求めて起業する人がいると思いますが、篠塚さんの目的は違っていたのですね。

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 きっかけとか目的とかは千差…

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この記事を書いた人
高橋豪
経済部|電機・製造業担当
専門・関心分野
モビリティー、インフラ、観光、中国語圏

連載働く20代のモヤモヤ WLBと言われても(全16回)

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