「私は三角関数の不要論者ではない」 維新・藤巻議員の真意とは?

大坪実佳子
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 「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」――。日本維新の会の藤巻健太衆院議員がツイッターに投稿したつぶやきが議論を呼んでいる。5月中旬の投稿から2週間で、返信は1千件を超え、リツイートは1万件近くになった。多くが「三角関数のほうが重要」といった内容で、発言撤回や公開討論を求める要望書も出た。藤巻議員は朝日新聞の取材に「決して三角関数を不必要と言いたかったわけではない。人類の大事な英知であり、生活を支えている重要な知識だ」と説明した。

 藤巻議員が投稿をしたのは5月17日。財務金融委員会で質問したことを報告した形だった。

 投稿されると「金融経済を学ぶためには数学的素養が必要」「三角関数のほうが株価の上下やチャートの読み方よりも重要」といった声が続出。これに対し藤巻議員は「車の安全な運転の仕方を知ることは大事だが、車の構造は知らなくていい」「(三角関数は)この15年ほど、一度も使っていない」などとツイートしたが、批判は収まっていない。

 25日には、千葉県船橋市議で予備校講師も務める朝倉幹晴氏が発言撤回を求める要望書を藤巻議員の事務所に提出。要望書では「高校において『実学』を重視すべきとされていますが、私は今の高校教育の各科目を学ぶことは現代をよりよく生きていくために大切だと思います」などとし、公開討論も求めた。朝倉氏は「国会議員という責任ある立場の人が、根拠なく発言して良いことではない。三角関数は、回転運動や波動などを理解するのに欠かせない数学の基礎だ。学習指導要領のどの部分の削除を指しているのか、具体的に示すべきだ」と語った。

 藤巻議員は朝日新聞の取材に「真意が伝わりきらず一部が切り取られ、『三角関数不要論者』のように捉えられてしまった。高校教育は教養や基礎的なものに重きを置き過ぎ、生活の役に立つような実学が少し足りないなのではないかということを伝えたかった。そのバランスを考えてほしいというのが私の持論。どんな科目や内容がどれくらい必要なのか、これをきっかけに議論が活発になることを望んでいる」と話した。

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