マスク氏、週40時間の出社求める 守らなければ「あなたは辞職」

サンフランシスコ=五十嵐大介
[PR]

 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が従業員に対し、少なくとも週40時間はオフィスで働くよう求めたことが明らかになった。米メディアが報じた。マスク氏は従業員への要求が厳しい上司として知られ、リモートワークにも否定的な姿勢を示している。

 米ワシントン・ポスト紙が確認したテスラ従業員向けの5月31日付のメールで、マスク氏は週40時間の出社を求めたうえで、「もし姿を見せなければ、あなたが辞職したとみなす」と述べた。週40時間は、1日8時間勤務だと週5日出社することになる。同紙によると、マスク氏は宇宙ベンチャー「スペースX」の従業員にも同様のメールを送ったという。

 テスラ従業員向けのメールでは「あなたがより地位が高いほど、あなたの存在は可視化されるべきだ。だからこそ私もずっと工場に住んでいた」としたうえで、「そうしていなければ、テスラはずっと前に破綻(はたん)していた」と述べた。

 マスク氏は「こうした要求をしない企業もあるが、彼らが最後に偉大な新製品を出したのはいつか?」とも明記。

「電話をかけるだけでは…」

 「テスラは地球上で最も興奮する、意義のある製品を生み出してきたし、これからもそうしていく。これは電話をかけるだけでは起きない」と訴えた。

 またツイッターには、マスク氏がテスラの幹部に宛てたとみられる別のメールの中身も投稿されており、「少なくとも週40時間オフィスにいなければ、テスラを辞めなければいけない」と書かれている。この投稿者が「出社することが時代遅れだと考える人へ何かコメントは?」とツイッター上で問うと、マスク氏は「どこかよそで働くふりをしていればいい」と応じており、投稿されたメールは本物とみられる。

 このメールでは、「例外的な貢献をして出社が不可能な人がいれば、私が直接確認して承認を与える」とも言及。「『オフィス』とは主要なテスラのオフィスでなければならず、仕事に関係のない遠隔のオフィスであってはならない」と厳格な姿勢を示している。

 マスク氏が買収することで合意した米ツイッター社は、コロナ下で率先してリモートワークを進め、「永久在宅勤務」を認める方針を打ち出していた。マスク氏が実際に買収した場合、働き方をめぐっても議論が起きそうだ。(サンフランシスコ=五十嵐大介

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら