プレミアム商品券、1人に440万円分販売 「上限ないものと…」

村上伸一
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 大分県佐伯市と佐伯商工会議所などが売り出した、1世帯3冊(3万円分)までの購入制限のあるプレミアム30%付き商品券を、1人で446冊(446万円分)購入した人がいたことが分かった。5月31日の市議会全員協議会で市側が報告した。数十万~100万円分を買った個人も複数いたという。

 この商品券は、新型コロナウイルスの影響を被った市内の事業所を支援するための「地域消費喚起さいきプレ券」。1冊1万円で1万3千円分の買い物ができる。

 市の説明によると、市や商工会議所などが出資する会社が、4月に6万冊を売り出した。当初は1世帯3冊を上限に、往復はがきによる事前申込制をとったが、約2万4千冊が売れ残った。このため4月29、30日と5月9日に予約なしで追加販売したところ、9日に完売した。

 446冊の購入者は4月30日に販売会場を訪れた。3冊ずつ2回購入した後、3回目に440冊を買い、いずれも現金で支払った。車を買うと話したという。「さいきプレ券」の取扱店一覧には、自動車販売関連の事業所が10軒以上載っている。購入の際、上限を尋ねられた販売員が「いくらでもいいですよ」と答えたという。

 このとき、販売会場側は「追加販売分は購入上限なし」の認識で、ほかにも大量購入した客が何人かいた。市は追加販売分も1世帯3冊までとしていたが、販売会場に徹底されていなかったらしい。

 5月31日の市議会で市側は、販売側に問題があったとして、今回の大量購入者に返還を求めないとする判断を示した。今後、このような企画の際は、販売ルールを明確にして徹底するとしている。(村上伸一)

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