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　山あいを黒部川に沿って走る黒部峡谷鉄道（富山県黒部市）のトロッコ電車が26日、宇奈月―欅平間（20・1キロ）の全線で開通した。乗客はゆっくりと走る電車からの景色を楽しんだ。

　同社によると、今年は積雪が多く除雪作業などが遅れ、4月27日に宇奈月―笹平間、5月20日に鐘釣までの間が開通し、この日に欅平まで全線開通した。26日の開通は過去10年で2番目に遅いという。

　乗降客数は2019年が65万7千人だったが、新型コロナの影響で21年は27万4千人に落ち込んだ。同社では今年の目標を50万人としており、客足の回復に期待を寄せている。

　愛知県から訪れた阿部早智子さん（82）は「川がすごく澄んでいて、新緑もきれいでした」と話した。同社の谷本悟さん（56）は「春は新緑、夏は爽快感、秋は紅葉と季節ごとに姿を変えるのが黒部峡谷の魅力です」と話していた。（伊藤稔）